買い物かご

特集から探す

アクティビティ

「できる」が増えて、「笑顔」が広がる「ツクイさいたま辻」の取り組み

「できる」が増えて、「笑顔」が広がる「ツクイさいたま辻」の取り組み

高齢者の暮らしを支える介護サービスの中でも、日々の生活に彩りを添える「デイサービス」は、心身の健康維持と社会参加の場として重要な役割を果たしています。今回は、東京都目黒区の「なないろクッキングスタジオ 自由が丘」と、埼玉県さいたま市南区の「ツクイさいたま辻」の2施設を取材し、この記事では機能訓練に焦点を当て、「ツクイさいたま辻」の取り組みをご紹介します。

「機能訓練」で日常を支える、ツクイさいたま辻

手を上げるシニア男性

「ツクイさいたま辻」は、株式会社ツクイが運営する、機能訓練を重視したデイサービスです。食事や入浴といった生活支援に加え、「機能訓練」を軸にしたプログラムを強みとしています。「できること」を一日でも長く続けられるよう支えることを目的に、専門職とスタッフが連携して支援しています。

施設の概要

さいたま市南区に位置し、要支援から要介護の方まで幅広く利用されています。年中無休で営業しており、送迎サービスも完備。1日の定員は50名で、9時30分から16時45分 までの1日型のサービスを提供しています。施設内には機能訓練機器がそろえられ、理学療法士による個別プログラムが組まれるなど、「ただ過ごす場」ではなく「 体を動かし、生活を支える場」であることが特長です。

ツクイさいたま辻の所在地詳細はこちら

広々とした室内には充実した機能訓練機器を整備

交流ルーム

施設内は明るく清潔感があり、各種機能訓練機器 が整備されています。広い空間でのびのびと 運動できるだけでなく、談話スペースや休憩コーナーも充実しており、お客様同士が自然に交流できるアットホームな雰囲気が漂っています。
「通うこと自体が楽しみになる場所」であることを目指している点も大きな特長です。

個別性を大切にした機能訓練

平行棒で運動をするシニア男性

お客様ごとに歩行や立ち上がりの目標を設定し、スタッフが寄り添いながら機能訓練を行います。取材時には、平行棒を使って歩行練習をする方、トレーニング機器で脚の筋力を鍛える方など、お一人おひとりに合った活動の様子が見られました。スタッフの声かけは一方的ではなく、「今日はここまでやってみましょう」と対話しながら進めるため、お客様の表情も明るく、自信が芽生えている様子でした。

一日を通して活動的に過ごせる工夫

ペダル運動をするシニア女性

午前中は理学療法士などの機能訓練指導員による個別機能訓練やマシントレーニング、午後はグループでの体操やレクリエーション、屋外でのウォーキングも実施 され、運動と交流をバランスよく組み合わせた一日のスケジュールが組まれています。

取材の日も、音楽に合わせて体を動かす方や、スタッフの掛け声に合わせて笑顔でマシントレーニングに励む方々の姿が印象的でした。「運動は苦手だったけれど、ここでは自然と体を動かせる」「仲間と一緒だから続けられる」と話す方も多く、通うことが生活習慣の一部として定着しやすいよう、工夫を凝らしている様子がうかがえました。

ご希望から目標を具体化していくことでモチベーションアップ

カウンセリングをするシニア男性

ツクイさいたま辻では、お客様お一人おひとりに合わせた目標設定を大切にしています。

ご自宅を訪問して日常生活の状況を把握し、ご本人やご家族の要望を伺ったうえで、「買い物に歩いて行きたい」「自宅の階段を手すりなしで上れるようになりたい」などの目標を、買い物先までの距離や時間、階段の段数など数値化できる具体的な目標へと落とし込み、その実現に向けて、無理のない計画を一緒に考えていきます。
また、単調になりがちな機能訓練も、専門職による評価内容のフィードバックとお客様同士の励まし合いが相まって、モチベーションが上がり継続率が高いことも特長です。

ツクイさいたま辻の成り立ちと思い

事業管理者の千葉さんインタビュー
事業管理者の千葉さん

ツクイさいたま辻は、さいたま市内で7番目のツクイの事業所として2017年9月にオープンしました。

機能訓練を強化することとなったきっかけや、サービスに込めた思 いについて、事業管理者の千葉さんと、理学療法士の鈴木さんにお話をうかがいました。

事業管理者・理学療法士 インタビュー

機能訓練を強化するに至った経緯やそれまで感じていた課題について教えてください

理学療法士の鈴木さんインタビュー
理学療法士の鈴木さん

千葉さん : 理学療法士をはじめ、柔道整復師や看護師といった有資格者がそろい、充実した人員体制が整ったことが大きなきっかけでした。

鈴木さん : 私自身、病院勤務の経験を経てデイサービスの業務に携わるようになりました。
一般的に病院では20分から40分、一対一で患者様に関わることができますが、デイサービスではどうしてもそこまでの時間を割くことができません。そのことがお客様のモチベーション低下にもつながってしまうことが課題だと感じていました。その課題を解決するために多職種で連携し、一日を活動的に過ごしていただく工夫を続けています。

ご家族からはどのような声が聞かれていますか?

鈴木さん : 「デイサービスには行きたくない」「運動なんかやりたくない」と最初は話されていた方でも、初めて利用された帰りには「楽しかった」「ああいう運動なら続けてもいい」とご家族に話されることがあります。こうした声を伺うと、私たちスタッフも「やっていてよかった」と心から感じますね。

今後のサービス展開についてはどのようにお考えですか?

千葉さん : 今後も地域に密着しながら、より多くの方に「ここに来てよかった」と思っていただける場を目指したいと考えています。事業所の広いスペースを活用した機能訓練を通じて、お客様が自分らしく生活を続けられるよう支援を広げていきたいですね。

機能訓練を通じて、どのような社会貢献をしていきたいですか?

千葉さん : 今後この地域の中でも要介護状態の方が増えていくことが見込まれています。同世代の方々が集まり、運動し、交流できる場を提供することで、ご自宅で安心した生活を長く続けられるお手伝いをしていきたいです。

お客様の変化とよろこびの声

歩行器で運動をするシニア男性
歩行訓練に勤しむお客様

通いはじめたころは首の影響で自分では何もできず、立つ練習を1年ほど続けていました。スタッフさんが熱心に関わってくれるので、ある日「歩いてみたい」と話してみたところ、それから歩行練習の日々が始まりました。
はじめは5メートルくらいでしたが、デイサービスの中を1周(約40メートル)、3周と徐々に距離が伸びていき、今では10周を9分ほどで歩くことができます。ここまで付き合ってくれたスタッフの皆さんには感謝しかありません。

ツクイのサービス全般についてはこちら

機能訓練で広がる地域の輪|まとめ:

ツクイさいたま辻は、機能訓練を中心としたプログラムで、お客様が「自分らしく暮らし続ける力」を支えています。
介護サービスの提供にとどまらず、喜びや生きがいを取り戻す場として、地域に温かな輪を広げています。

SONOSAKI LIFEでは、健康づくりに役立つ情報や介護の「お悩み」に寄り添う情報をお届けしています。 ほかのコラムもぜひ、ご覧ください。

 記事監修 
  • 監修者写真
    小林 修
    株式会社DIGITAL LIFE
    WEBサービス事業
    理学療法士
    社会福祉主事

     

  • 大学卒業後、理学療法士や介護事業所の管理者としてデイサービス、特別養護老人ホーム、ショートステイなど、10年以上の現場経験があり、介護サービスの運営、スタッフ教育に従事。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、健康増進サービスの企画、開発に携わっている。