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高齢者のベッドの衛生管理|清潔に保つためのポイント

朝日の差し込むベッド

「高齢の家族が毎日寝ているベッドを清潔に保ちたい!」 「おむつの漏れや汗で寝具が汚れるのが心配……。」
こうした悩みを抱えながら、自宅で介護をされている方も多いのではないでしょうか?この記事では、高齢者のベッドを清潔に保つ重要性や衛生管理のコツ、役立つアイテムをご紹介します。

高齢者のベッド衛生が重要な理由

ベッドで腰に不快感を抱く人

健康的な生活を送るためには、7~8時間程度の睡眠が必要なため、ベッドは1日の1/3以上を過ごす、とても重要な場所です。特にシニア世代になると、疲れを癒やすためにお昼寝の機会も増え、ベッドで過ごす時間がさらに長くなります。そのため、ベッドの衛生状態が健康に影響を及ぼすリスクも高まります。そこでここでは、シニアにとってベッドの衛生管理がなぜ重要なのか、その理由を解説します。

皮膚トラブル(床ずれ・湿疹)を防ぐため

汚れたベッドを使い続けることで、健康にさまざまな悪影響が及びます。その中でも代表的なのが、皮膚トラブルです。その原因のひとつが、睡眠中の発汗です。
私たちは寝ている間に約350mlの汗をかくといわれており、シーツやマットレスは知らないうちに湿気を帯びています。そのため、適切にケアしないと、この湿気が雑菌やカビの繁殖を促してしまい、湿疹などの皮膚トラブルを引き起こす原因となります。
さらに、汚れや湿気を放置していると、肌の保護機能を低下させます。シニアの肌はデリケートで傷つきやすくなっているため、褥瘡(床ずれ)などのリスクも高まります。こうした皮膚トラブルを防ぐためにも、ベッドの衛生管理を徹底することが大切です。

睡眠の質を高めるため

寝具の清潔さは、睡眠の質にも大きな影響を与えるといわれています。例えば、乾燥していない寝具から発せられるニオイや汗の湿り気が不快感を高め、寝付きが悪くなったり、途中で目が覚める回数が増えたりして、睡眠時間のわりに疲れがとれなくなることがあります。
また、カビやダニが原因でアレルギー症状が出ると、咳などによって睡眠が妨げられることもあるでしょう。特にシニア世代は、若い頃よりも睡眠時間が短くなる傾向があるため、寝具を清潔に保ち、質の高い睡眠を確保することが健康維持にとても重要です。

ベッドの衛生管理でやるべきこと

ベッドを掃除する人

ベッドの汚れは、さまざまな悪影響を及ぼすため、清潔さを保つことが健康的な生活に欠かせません。ここでは、ベッドを清潔に保つために必要な、衛生管理の方法について解説します。

シーツやカバーは週1~2回交換する

ベッドのシーツやカバーは、一見汚れていないように見えても、寝ている間にかいた汗や皮脂が付着しています。そのため、黄ばみなどの目に見える汚れがなくても週に1回の定期的な交換を行い、汚れが目立つときは都度交換をするようにしましょう。特に、汗をかきやすい夏場は冬場よりも汚れやすいため、毎日交換する必要はありませんが、通常よりも短い間隔で交換するのが理想的です。
また、シーツを交換するたびに洗濯するのは大きな手間になります。そこで、「抗菌・防臭加工」のシーツを複数枚用意しておくと、洗濯の頻度を減らしながら清潔な状態を保てるので、効率的な衛生管理にはとてもおすすめです。

ベッドマットレスの掃除(消毒・乾燥)方法

シーツやカバーと異なり、マットレスは自宅で簡単に洗うことができません。そのため、マットレスを清潔に保つためには、乾燥を徹底することが重要です。
マットレスの簡単な乾燥方法は、起床時に掛け布団をめくっておくだけ。掛け布団でマットレスを覆ったままだと湿気がこもってしまうため、毎日きちんと布団をめくり、風通しを良くしましょう。
さらに、月に1回程度を目安に、マットレスを立てて天日干しや陰干しをしたり、掃除機をかけたりするのも効果的です。日常の対策と定期的なケアを組み合わせることで、より清潔な状態を保てます。
もし、マットレスが尿などで汚れてしまった場合は、アルコールを含ませたタオルで表面を拭き取り、消毒することが大切です。ただし、この方法はあくまで応急処置のため、汚れがひどい場合はクリーニング業者の利用を検討しましょう。
また、防水シーツをマットレスの上に、あらかじめ設置しておくのもおすすめの対策です。防水シーツがあると、シーツの下へ尿などが漏れ出さないため、マットレスが汚れるのを防ぐことができ、お手入れの手間を大きく軽減できます。

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枕カバーや掛け布団の清潔を保つコツ

寝具の中で、最も汚れやすいといわれているのが枕カバー。頭皮に直接触れるうえに、頭部の汗や皮脂をすべて吸収するので、他の寝具よりも汚れやすいためです。できるだけ毎日交換し、枕本体も週に1度は洗うようにしましょう。
また、掛け布団はシーツなどと同じように汗を吸収します。そこで、シーツなどと同じように週に一度は交換するのがおすすめです。もし、夏と冬で掛け布団を変えている場合は、交換するタイミングで布団自体のクリーニングを行うのも良いでしょう。

介護ベッドの掃除・消毒のコツ

マットレスを掃除する人

ここでは、より清潔な環境で睡眠をとれるようにするために、介護ベッドの掃除や消毒方法、よりキレイにするためのコツについて解説します。

マットレスのカビやダニ対策

カビやダニを繁殖させてしまう主な要因は、マットレスが十分に乾燥していないことです。そこで、以下の方法でマットレスが乾燥しやすい環境を整えましょう。

  • 除湿機能付きの敷きパッドを使用する
  • 布団乾燥機で湿気やダニを取り除く

また、耐熱性のあるマットレスを使用している場合は、布団乾燥機を活用するのも効果的です。ただし、ダニは熱に強く、マットレスの奥まで熱風が届きにくいため、工夫が必要です。
布団乾燥機の効果的な使い方は、布団乾燥機を使用する前に、部屋を1時間程度暗くしておくこと。ダニは夜行性のため、部屋を暗くしておくとダニがマットレスの表面近くに移動してきます。この状態で乾燥機を使用すると、普通に使うよりも効率的にダニを退治・予防できますよ。

ベッドフレームの拭き掃除方法

ベッドフレームは、寝具やマットレスと同様に汚れが溜まりやすいため、定期的な掃除が必要です。しかし、木製のベッドフレームは、アルコール消毒剤を使用すると傷みやすく、寿命を縮めてしまう可能性があります。そのため、基本的には柔らかい布で乾拭きし、汚れを優しく落としましょう。
また、立ち上がる際に手が触れることの多いベッド柵は、プラスチック製などであれば除菌が可能です。ただし、消毒液の成分が強すぎると、手に触れた際に皮膚を刺激し、皮膚トラブルを招く恐れがあるため注意しましょう。

高齢者の皮膚に優しい洗剤の選び方

寝具を清潔な状態で使い続けるためには、定期的に洗濯し、しっかりと汚れを落とすことが大切です。しかし、シニアの皮膚は若い人に比べて刺激に弱いため、寝具に残った洗剤成分が原因となり、皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
そのため、漂白剤や抗菌剤などの刺激が強い成分を含まない洗剤を選びましょう。また、ベビー用や敏感肌用の洗剤は、洗浄力を保ちながら肌に優しい成分で作られているため、こうした商品を選ぶのもおすすめです。

「高齢者のベッドの衛生管理|清潔に保つためのポイント」まとめ

ベッドは寝るときにだけ使う場所のため、汚れにくいと思われがちですが、実際には1日の1/3以上をベッドで過ごしており、汗や皮脂によって日々汚れています。

また、汚れたベッドを使い続けると、褥瘡(床ずれ)や発疹、感染症などの健康リスクが高まることもあります。そのため、本記事を参考に、シーツや枕カバー、マットレスなどの寝具を定期的に交換・掃除し、ベッドの衛生管理に取り組んでみてくださいね。
SONOSAKI LIFEでは、健康づくりに役立つ情報や介護の「お悩み」に寄り添う情報をお届けしております。 他のコラムもぜひ、ご覧ください。

 記事監修 
  • 監修者写真
    小林 修
    株式会社DIGITAL LIFE
    WEBサービス事業
    理学療法士
    社会福祉主事

     

  • 大学卒業後、理学療法士や介護事業所の管理者としてデイサービス、特別養護老人ホーム、ショートステイなど、10年以上の現場経験があり、介護サービスの運営、スタッフ教育に従事。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、健康増進サービスの企画、開発に携わっている。