これが移動介助技術の基本
日頃、ベッド上で移動介助を行う場合には、時間がなく力に頼って行ってしまうこともあるかと思います。
そのような時にぜひ実践して欲しい 「ベッド上で上方へ移動する場合の手順」、「左右へ移動する場合の手順」を示しましたので、介助の参考にしていただければと思います。
上方へ移動する
① 介助者は被介助者の肩のあたりに立ちます。
② 介助者は被介助者との距離を出来るだけ近づけます。
③ 被介助者の肩甲骨の真下に手を入れ、指先が足側を向くように手首を曲げます。
④ 被介助者の骨盤の真下にもう一方の手を入れます。
⑤ この状態で、真上ではなく、斜め上方(介助者の方へ引き寄せるイメージ)へ移動させます
左右へ移動させる場合
① 介助者は被介助者の胸のあたりに立ちます。
② 介助者は被介助者との距離を出来るだけ近づけます。
③ 被介助者の骨盤の真下に手を入れます。
④ 被介助者の肩甲骨の真下にもう一方の手を入れます。
⑤ この状態で、介助者側へ引き寄せながら移動させます。
※…必ず、引き寄せてください。遠くへ押すような介助は絶対に避けてください。
【必見!】ベッド上での移動介助をさらに楽にする2つのポイント
介助技術のほかにも、ベッド上での移動介助をより楽にするための重要なポイントがありますので、以下で解説します。
あわてずにベッド上を観察
ベッド上で過ごす時間が長い被介護者は、リモコンや薬など、日常的に手に取る物をベッド上に置いている場合があります。
しかし、ベッド上に物があると、上記のように被介助者が左右や下方へ寄ったまま、起き上がり介助をしようとしてしまい、
介助者だけでなく被介助者への負担増大につながってしまいます。
まずは落ち着いてベッド上の物を移動し、スペースを作ってください。スペースがあると被介護者の体が上下左右に寄ってしまっていた場合でも身体を適切な場所に戻しやすくなり、その後の起き上がり介助も行いやすくなります。
単純な作業ですが、ベッド上の移動介助の負担を軽くするためには、絶対に欠かせない技となります。
理学療法士が解説
動画を参考に、ベッド上にスペースがあるか確認してみましょう。
アイテムを使って、移動介助を楽にする
スライディングシートをご存知でしょうか。スライディングシートは、すべりやすい素材でできており、背中とベッド面の摩擦を減らすことで小さな力で移動介助が行えるアイテムになります。
背面にシートを挟む必要はありますが、使い慣れれば、ベッド上の移動介助が楽になるでしょう。
理学療法士が解説
動画をご覧いただき、使用方法を確認してみてください。