CART買い物かご

PICKUP特集から探す

ACTIVITYアクティビティ

NEW COLUMN新着コラム

シルバーカーの種類と選び方【理学療法士おすすめ商品もご紹介】



人は加齢による筋力低下と、それに伴うふらつきや関節痛の出現等で歩く能力はどうしても落ちていきます。歩く能力が落ちてくると、行動範囲が狭くなり更なる機能低下につながっていってしまいます。そういった悪循環を止めてくれるのがシルバーカーです。


最近は、様々なタイプのシルバーカーが気軽に入手できるようになっています。もし、外出の際に歩くことに不安が出てきている場合は、ご自身に合ったシルバーカーをお選びいただき、外出を引き続き楽しんでいただければと思います。


この記事では、理学療法士が「これからシルバーカーを買おうとしている方」や「今使っているシルバーカーを見直したい方」に役立つ情報をお伝えしていきます。

【必見!】シルバーカーを選ぶ際の基礎知識

シルバーカーの役割はご存知でしょうか。シルバーカーには、荷物を入れるかごがついており、そのかごが座面にもなるので、高齢の方が荷物を運びながらより長く歩くことを助けてくれます。


形状がいくつかのタイプに分かれており、それぞれに特徴があるので、シルバーカーを選ぶ際には是非、参考にしてください。また、屋外での歩行に不安がある場合は、後半で紹介する「歩行車」というものを選択肢に入れていただくと良いかと思います。


ここでは、シルバーカーを選ぶ上でおさえておきたい知識を、理学療法士が丁寧に解説していきます。

シルバーカーとは

一般社団法人製品安全協会によると、『屋外を1人で歩くことは可能だが、物品の運搬や長距離の移動が困難な者が、歩行の補助や品物の運搬および休息に用いるもの』と定義されています。つまり、シルバーカーは、より長く荷物を運びながら歩けるように補助してくれるもの、ということになります。

シルバーカーの種類と特徴

シルバーカーは、大きく分けると以下の3タイプに分けられます。




① コンパクトタイプ

シルバーカーの前後の長さや横幅が他のタイプに比べ短く、軽量であるのが特徴です。

理学療法士が解説


おすすめポイント


  • 持ち運びがしやすく、折りたたんだ際にはよりコンパクトになるので、車やバス、電車の乗降を伴う外出が多い場合に使いやすい。

  • 小回りがきくので、狭い歩道やお店の狭い通路でも歩きやすい。

  • ・シルバーカーを押す力が小さくても動かせるため、段差が多い場合でも昇降しやすい。

注意したいポイント


  • 大きな荷物は積めないので、大量の買い物をする場合には向かない。

  • 座面が小さいので、移動中にゆっくり座って休憩したい場合には向かない。

  • 体格が大きい人には向かない。




② ボックスタイプ

シルバーカーの中では前後の長さや横幅が長く、全体的なサイズ感は一番大きいことが特徴です。

理学療法士が解説


おすすめポイント


  • 荷物をたくさん積むことができるので、重いものやたくさん買い物をしたい方に向いている。

  • 座面が大きく安定感があるので、外出時にゆっくり落ち着いて休憩することができる。

  • ・コンパクトタイプよりタイヤが大きいので、不整地でも押しやすい。

注意したいポイント


  • ・荷物をたくさん積んだ場合、強く押す力が必要になるため腕に負担がかかる。

  • ・段差が多い道や人混み、狭い通路といった場所は歩きにくい。

  • ・折りたたむことはできるが、厚みがあるため保管等に場所をとってしまう。




③ ミドルタイプ

コンパクトタイプとボックスタイプの中間サイズになります。軽量でありながら適度な大きさがあり、荷物もある程度積むことができます。

理学療法士が解説


ボックスタイプを使っているが大きすぎる、コンパクトタイプを使っているが小さすぎる、という方はこのミドルタイプをお試しください。
また、初めて購入される場合に、ボックスタイプとコンパクトサイズのどちらかに決めきれない場合は、ミドルタイプを購入していただけるといいかもしれません。


シルバーカーと一緒に知っておいて欲しい「歩行車」

シルバーカーとよく似ていますが、ハンドル部分がU字型、八の字型になっている品は、「歩行車」というアイテムになります。シルバーカーに比べて体重をかけやすくなっており、荷物を運ぶ機能よりも歩行を安定させる機能が重視されています。


歩行車とシルバーカーは、それぞれの商品特徴に違いがありますので、ご使用になられる方の状況やニーズに合ったものを選ぶと良いでしょう。歩行車とシルバーカーの構造の違いや特徴をご確認いただき、選ぶ際の参考にしてください。

歩行車とは - シルバーカーと何が違うの?

構造上の大きな違いはハンドルです。シルバーカーはハンドルが横に一直線になっているのに対し、歩行車はU字型になっています。
歩行車は、左右の持ち手の間に立ってハンドルを握るので、シルバーカーに比べて体重がかけやすく、歩行を安定させる設計になっています。普段歩く際に、見守りや介助が必要な方に向いている歩行補助具です。


また、歩行車はシルバーカーとは異なり介護保険の適用商品で、レンタルすることが可能です。レンタルを希望される場合は、担当のケアマネージャーまで、要介護認定を受けていない場合はお近くの地域包括支援センターまでご相談ください。


歩行車の種類と特徴

歩行車は、大きく分けると前腕支持型左右ハンドル型の2タイプに分けられます。




① 前腕支持型

腕を支える台がハンドルについており、上半身の重みを歩行車に預けることができるのが特徴です。

理学療法士が解説


おすすめポイント


  • ・歩行時の腰や膝への負担を軽減してくれる

  • ・シルバーカーよりタイヤのサイズが大きいので、段差や不整地でも押しやすい

注意したいポイント


  • ・押しやすい分スピードが出やすいので、自分でコントロールできないと危険がある。

  • ・折りたたむことはできるが、シルバーカーより大きいため保管等で場所をとってしまう。



② 左右ハンドル型

前腕支持型のように腕を支える台はついておらず、左右のグリップを握って歩くタイプです。サイズはスリムなものからワイドなものまであります。


◇ スリムタイプ

歩行車の前後の長さや横幅が他のタイプに比べ短く、軽量であるのが特徴です。

理学療法士が解説


おすすめポイント


  • 持ち運びがしやすく、折りたたんだ際にはよりコンパクトになるので、車やバス、電車の乗降を伴う外出が多い場合には使いやすい。

  • 小回りがきくので、狭い歩道やお店の狭い通路でも歩きやすい。

  • ・歩行車を押す力が小さくても動かせるため、段差が多い場合でも昇降しやすい。

注意したいポイント

  • 大きな荷物は積めないので、たくさんの買い物には向かない。

  • 座面がついていない、または座面が小さいので、移動中にゆっくり座って休憩したい場合には向かない。

  • 体格が大きい人には向かない。




◇ 三輪タイプ

車輪が3輪となっており、歩行車の中でも小回りが一番利きやすい歩行車となっています。

理学療法士が解説


おすすめポイント

  • ・スリムタイプよりもさらに小回りが利きやすいので、狭い通路を通るような買い物にとても適している。

  • ・スリムタイプ同様に、持ち運びがしやすく、折りたたんだ際にはよりコンパクトになるので、車やバス、電車の乗降を伴う外出が多い場合には使いやすい。

注意したいポイント

  • 大きな荷物は積めないので、たくさんの買い物には向かない。

  • 座面がついていない、または座面が小さいので、移動中にゆっくり座って休憩したい場合には向かない。

  • 体格が大きい人には向かない。



◇ ワイドタイプ

歩行車の中では前後の長さや横幅が長く、全体的なサイズ感は一番大きいのが特徴です。

理学療法士が解説


おすすめポイント

  • 荷物をたくさん積むことができるので、重いものやたくさん買い物をしたい方に向いている。

  • 座面が大きく安定感があるので、外出時に、ゆっくり落ち着いて休憩できる。

  • ・コンパクトタイプよりタイヤが大きいので、移動中に不整地が多い場合でも押しやすい。

注意したいポイント

  • ・荷物をたくさん積んだ場合、強く押す力が必要になるため腕に負担がかかる。

  • ・段差が多い道や人混み、狭い通路といった場所は歩きにくい。

  • ・折りたたむことはできるが、保管等に場所をとってしまう。



◇ ミドルタイプ

ワイドタイプとスリムタイプの中間サイズになります。ワイドタイプでは大きすぎる、スリムタイプでは小さすぎるという方は、ミドルタイプをお試しください。

シルバーカーと歩行車、迷った時の選び方

シルバーカーと歩行車、どちらを選んだらいいか迷った時の選び方のポイントを解説します。


歩く能力を確認


散歩や買い物などの外出でシルバーカーをお使いになる際には、どのくらい1人で歩けるか?という「歩く能力」を知っておくと、安全にご使用いただけます。 歩く能力を目安にした、おすすめのケースを参考にしてみてください。
お使いになる方の状況に合ったものを選び、使用中の転倒や身体の痛みが起こらないようにしましょう


シルバーカーがおすすめのケース

  • ・1人で歩くことはできるけど、長距離を歩くのが大変になってきた(途中で休憩したくなる)
  • ・1人で歩くことはできるけど、荷物を持って歩くのが大変と感じるようになってきた

歩行車がおすすめのケース

  • ・つまずいたり、よろけることがあり、1人で歩くのは不安
  • ・腰や膝に痛みが出る(特に、変形性膝関節症の方は歩行車がおススメ)
  • ・現在、歩行時には付き添いの方が必要で、見守りや介助を受けながら歩いている
  • ・シルバーカーを使っているが、腕や腰が疲れる

使用上の注意点

シルバーカーや歩行車を使う前には、身体の健康や安全に歩くための注意点があります。こちらの内容を確認してから、ご使用ください。


ハンドルの高さ

ハンドルの位置が高すぎたり低すぎたりすると首や肩を痛める可能性もあり、円背など姿勢が悪くなる原因にもなります。そのため、ハンドルの高さ調整はとても大切です。目安を参考に、適切な高さで利用してください。


適切なハンドルの高さの目安


  • 「シルバーカー」
  • へその位置から指2本くらい足方向へ移動した位置にハンドルがくるようにします。


  • 「歩行車」
  • できるだけ上半身を起こした状態で、腕を下げます。その時に手首の高さにハンドルの位置がくるようにします。


    安全に使用するための必須条件

    シルバーカーや歩行車は屋外で使用することが多いものになります。押し方によってはスピードが出やすいので、正しい使い方ができないと大きな事故を招いてしまう可能性があります。そのため、以下に該当する場合はシルバーカー、歩行車の利用はお控えいただいた方が良いと思います。


    • ・どちらかの手にまひがある
    • ・握力や腕の筋力が顕著に弱く、自身でブレーキが十分にかけられない
    • ・認知症の診断を受けている

    シルバーカーや歩行車は、無理をせずに安全第一でご利用下さい。

    シルバーカーの種類と選び方 まとめ

    シルバーカーには、コンパクト、ボックス、ミドルの3つのタイプがあります。それぞれのおススメポイントや注意するポイントがあるので、選ぶ際の参考にしてください。

    外出時に、持ち運びやすさを重視する場合にはコンパクトタイプを、多くの荷物を運ぶことを重視する場合にはボックスタイプを、コンパクトとボックスで迷う場合にはミドルタイプを、といった目安で探していただけると選びやすいかと思います。

    また、使用される方の歩く能力をしっかりと確認いただくことも大切です。屋外を歩く際に、歩行に不安がある場合は、シルバーカーではなく「歩行車」をご検討ください。

    シルバーカーや歩行車は使用される方の屋外での歩行をサポートし、生活範囲を広げるなどの生活の質を上げて、健康寿命を延ばしてくれる素晴らしいアイテムです。しかし、選び方や使い方を間違えてしまうと、転倒の危険性を高めてしまう可能性もあります。この記事を参考にご自身やご家族に合ったシルバーカーや歩行車を見つけていただき、ぜひ、お気に入りのシルバーカーや歩行車で散歩や買い物をお楽しみください。


     記事監修 
    • 監修者写真
      林 悠太
      株式会社DIGITALLIFE WEBサービス事業
      理学療法士、社会福祉士
      介護支援専門員

       

    • 専門学校卒業後、株式会社ツクイ入社。従業員向けに機能訓練に関する教育研修に従事。仕事の傍ら、筑波大学院にて修士課程を修了し、その後信州大学大学院の博士課程へ進学し、高齢者の重度化予防、要介護度の改善をテーマに研究活動にも取り組んでいる。現在は同業他社様ほか、一般市民向けや企業向けに介護予防や介助技術に関する研修・セミナーを多数担当している。