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冷え性は足元から解消! 理学療法士が伝える効果的なケア方法

高齢者の冷え性 タイトルイメージ

寒い季節になると手足の冷えを感じる方は多いのではないでしょうか。冷え性は血行不良や筋肉の緊張、生活習慣などさまざまな要因が絡んでいます。
とくに足の冷えは全身の血流にも影響を与えるため、適切なケアが重要です。今回は冷え性を改善するための足の運動と足浴の方法をご紹介します。

冷え性の原因とは?

いつも座っている高齢者

冷え性の主な原因には以下のようなものがあります。

  1. 血流の悪化

    運動不足や長時間座ったままでいることにより、血液の流れが滞ることがあります。

  2. 筋肉量の不足

    筋肉は熱を生み出す役割があるため、筋肉量が少ないと体温を維持しにくくなります。

  3. 自律神経の乱れ

    ストレスや生活リズムの乱れが自律神経に影響を与え、血管の収縮・拡張機能が低下します。

  4. 寒い環境に長時間いる

    寒い場所にいる時間が長いと、体温が奪われやすくなります。

参考:文部科学省後援 健康管理検定 りずみんの健康コラム

シニアが冷えやすい理由

脚が細くなってしまった高齢者

高齢になると冷えを感じやすくなるのには、いくつかの生理的な理由があります。

  1. 筋肉量の減少

    加齢に伴い筋肉量が減少する「サルコペニア」が進行します。筋肉は熱を生み出す重要な器官であるため、その減少は体温を維持する力を弱めます。

  2. 血流量の低下

    心臓のポンプ機能や血管の弾力性が低下し、末梢部への血流が十分に行き届かなくなることがあります。

  3. 感覚が鈍くなる

    神経の働きが鈍くなることで、寒さを感知しにくくなり、適切な防寒対策が遅れる場合があります。

  4. 代謝の低下

    基礎代謝が低下することで、身体が熱を作り出す能力が弱まります。

これらの要因が組み合わさることで、高齢者は特に冷え性を感じやすくなる傾向があります。

参考:学術論文プラットフォーム J-stage (PDF)

足の冷えを改善する運動

足首回しをする高齢者

冷え性対策として、日常生活に取り入れやすい簡単な足の運動をいくつかご紹介します。

  • つま先立ち運動

    1. 足を肩幅に開いて立ちます。
    2. ゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちになります
    3. そのまま3秒キープした後、かかとをゆっくり下ろします。

    ポイント : 10回を1セットとし、1日3セットを目安に行いましょう。ふくらはぎの筋肉を使うことで血流が促進されます。

  • 足指グーパー運動

    1. 椅子に座り、足を軽く前に伸ばします。
    2. 足の指を大きく開き、5秒間キープします。
    3. 次に指をぎゅっと握り込み、再び5秒間キープします。

    ポイント : これを10回繰り返しましょう。足先の血流が改善し、冷えが緩和されます。

  • 足首回し

    1. 椅子に座り、片足を少し持ち上げます。
    2. 足首をゆっくり大きく回します(時計回りと反時計回りをそれぞれ10回)。

    ポイント : 足首周りの筋肉をほぐし、血液の循環をスムーズにします。

足浴の効果と方法

足湯で足浴を楽しむ高齢者

足浴は血行を良くし、体全体を温めるのに効果的です。以下の手順で行うと効果が高まります。

  1. 準備
    • 42℃前後のお湯を用意します。足がすっぽり浸かるバケツや洗面器を使いましょう。
    • バスソルトや生姜スライス、アロマオイルを加えると保温効果やリラックス効果が得られます。
  2. 足浴の方法
    • 足をお湯に浸し、10~15分ほどリラックスします。
    • 時折足を動かして軽くマッサージするとさらに効果的です。
    • 足浴後はしっかりタオルで拭き、靴下を履いて保温しましょう。
  3. 注意点
    • 高血圧や心臓に疾患のある方は医師に相談のうえ行ってください。
    • 熱すぎるお湯は皮膚に負担をかけるため避けましょう。

日常生活での冷え性対策

温かいお茶を楽しむ高齢者

運動や足浴だけでなく、以下のポイントも日常生活に取り入れてみてください。

  • バランスの良い食事を心がける(とくに鉄分やビタミンEを含む食品を取る)。
  • 温かい飲み物を選び、冷たい飲み物は控える。
  • 衣服で体を冷やさないよう工夫する(とくに腹部や足元の保温が重要)。

冷え性は足元から解消! まとめ

冷え性は放置すると不調につながることもあるため、早めのケアが大切です。足の運動や足浴は、簡単に取り組める冷え性対策としておすすめです。これらを習慣化し、快適な冬を過ごしましょう。

 記事監修 
  • 監修者写真
    小林 修
    株式会社DIGITAL LIFE
    WEBサービス事業
    理学療法士
    社会福祉主事

     

  • 大学卒業後、理学療法士や介護事業所の管理者としてデイサービス、特別養護老人ホーム、ショートステイなど、10年以上の現場経験があり、介護サービスの運営、スタッフ教育に従事。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、健康増進サービスの企画、開発に携わっている。