様々な歩行介助でのポイントと注意点
歩行介助といっても、杖を使っている方、歩行器やシルバーカーを使っている方でポイントや注意点が変わります。
また平地と階段でも変わります。ここでは、様々な場面における歩行介助のポイントや注意点をお伝えします。
歩行器を使用した歩行介助の方法
歩行器での歩行介助は廊下などの床が平坦な場所を短距離移動する際に適しており、
上半身が前や左右に倒れてしまう人や足に負担がかかる人におすすめです。
- ③ 介助が必要な場合は、後方から相手の脇の下、または腰に軽く手を添えておきます。
シルバーカーを使用した歩行介助の方法
シルバーカーでの歩行介助は、屋外で長距離移動する際に適しており、
荷物を持って歩けない場合や膝や腰に疲れや痛みを生じやすい人におすすめです。
- ① へその位置から指2本くらい足方向へ移動した位置にハンドルがくるように高さを調整します。
- ② ブレーキが使用者自身でかけられるか確認します。
- ⑤ 介助が必要な場合は、後方から、相手の脇の下、または腰に軽く手を添えます。
- ⑥ 下の写真のようにシルバーカーだけ前にいってしまい、上半身が前のめりにならないように声かけや介助を行います
階段昇降の歩行介助方法
膝や腰に痛みがある方や下半身の筋力が低下している方に対して、手すりまたは杖を利用して階段昇降する際の介助方法です
立ち位置
① 階段を昇るときは、介助者は相手の斜め後ろ(階段の下側)に立ちます。
② 階段を降りるときは、介助者は相手の斜め前(階段の下側)に立ちます。
介助の手順
下記手順に沿って階段の昇り降りを介助します。(杖を使うことを想定)
昇るとき
① まずは杖を前方の段の上につきます
② 健足(杖と同じ側の足)を段の上に踏み出します。
③ 最後に患足(杖と反対側の足)を1段上にもっていきます。
降りるとき
① まずは患足(杖と反対側の足)を下の段に出します。
② 杖を下の段に下ろします。
③最後に健足(杖と同じ側の足)を下の段に下ろします。
理学療法士が解説
お役立ちポイント!
童謡「通りゃんせ♪」の歌詞「行きは良い良い、帰りは怖い」を思い出してみてください。
行き(上り)は良い方の足(健足)から、帰り(下り)は怖い方の足(患足)から先に出して昇降する、と覚えておくと、
いざ階段に出くわした際に、落ち着いて安全に誘導・介助ができると思います。