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年末年始に「実家でチェック!親の体力サイン」|帰省のついでに、家族みんなで楽しくフレイル予防

実家でチェック!親の体力サイン

年末年始は、久しぶりに家族が集まる大切な時間です。
その中で、「歩くスピードが落ちた?」「立ち上がる動きが少し大変そう」と、ふと親御さんの体の変化に気づくこともあります。でも、あまり深刻に切り出すとご本人が身構えてしまいがちです。
そこでおすすめなのが、 “軽いゲーム感覚でできる体力チェック”。

お孫さんも一緒に三世代でチャレンジすると、場が明るくなり、親御さんも自然と参加しやすくなるのでおすすめです。
この記事では、自宅で行える簡単なスクリーニングから、本格的な体力テスト、そして結果を受けた次の行動まで、理学療法士の視点でわかりやすく紹介します。

まずは「簡単なスクリーニングテスト」

学びを楽しむシニアと孫

筋力の低下や筋肉量の減少を簡易的にチェックするテストを2種類ご紹介します。
準備も簡単で取り組みやすいことがメリットです。

新聞紙を使った「紙ちぎりテスト」

<準備するもの>

新聞紙1枚

<方法>

  1. 新聞紙を4回折ります
  2. 4回新聞紙を折る
  3. 両手の親指と人差し指だけでちぎることができるかチャレンジ
  4. 指で新聞紙をちぎる
  5. 難しかった場合は3回折りでちぎることができるかチャレンジ

<判定>

  • 4回折りがちぎれた:筋力は十分
  • 3回折りがちぎれた:標準
  • 3回折りがちぎれなかった:筋力低下の可能性があります

4回折りがちぎれる人に対して、3回折りがちぎれない人は、筋力が低下している可能性が2倍歩く力が低下している可能性が5倍高くなるという報告(※1)があります。

(※1) 出典:Tanaka, T., Lyu, W., Yoshizawa, Y. et al. “Kami-Chigiri” (Newspaper Tear-Off) Test: Simple Screening Method for Assessing Muscle Weakness among Community-Dwelling Older Adults. J Frailty Aging (2024).(英文)

「指輪っかテスト」

<準備するもの>

なし

<方法>

  1. 椅子に座り、膝を90度に曲げた状態で、足を床につけます。
  2. 指輪っかをする男性
  3. 両手の親指と人差し指で輪 (指輪っか) をつくります。
  4. 膝を90度に曲げた状態で座る男性
  5. 利き足と反対のふくらはぎの一番太い位置を囲んでみます。
  6. 「囲めない」「ちょうど囲める」「指が重なる(余る)」を確認します。
  7. サルコペニアのリスクの目安

<判定>

  • 囲めない:筋肉量は十分
  • ちょうど囲める:標準
  • 指が重なる(余る):筋肉量低下の可能性があります

「囲めない人」に対して、「ちょうど囲める人」は2.09倍「指が重なる(余る)人」は3.36倍サルコペニア(筋肉量が減少し日常生活に支障が見られる状態)発症のリスクが高くなるという報告(※2)があります。

(※2) 出典:“Yubi-wakka” (finger-ring) test: A practical self-screening method for sarcopenia, and a predictor of disability and mortality among Japanese community-dwelling older adults. Tomoki Tanaka. 2018(英文)

気になるサインがあれば体力テストへ

ストレッチをするシニア

スクリーニングテストで筋力や筋肉量低下のサインがみられた場合は、もう少し本格的な体力チェックを試してみましょう。
ここからは、より具体的に体力を見極める3つのテストです。安全に配慮しながら行ってください。

5回いす立ち座りテスト

<準備するもの>

  • ストップウォッチ(スマートフォンの機能でも代用可能)
  • 一般的な高さ(約42cm)のいす

<方法>

  1. 椅子いすに腰かけ、腕を胸の前で組む。
  2. いすに座り腕を組む男性
  3. 「よーいスタート」などの合図で立ち上がり、膝が完全に伸びるまで立ったら、再びお尻がいすにしっかりつくように座る。
  4. 立ち座りをする男性
  5. これを5回連続で行い、かかった時間を測定。

<年代別平均値(平均値±標準偏差)>(※3)

  • 65~69歳:7.7 ± 1.9秒
  • 70~74歳:8.3 ± 2.0 秒
  • 75~79歳:8.5 ± 2.1 秒
  • 80歳以上:9.7 ± 2.5 秒

<判定>(※4)

  • 5回連続で立ち上がれない:下半身の筋力低下· フレイルの可能性大
  • 13秒以上:サルコペニアの可能性
  • 12秒以上:転倒リスクが高い

Time Up & Go (TUG) テスト

<準備するもの>

  • ストップウォッチ(スマートフォンの機能でも代用可能)
  • いす
  • メジャー (3mを測るもの)
  • コーン (ゴミ箱など目印になるもので代用可能)

<方法>

  1. いすから3m先に目印を用意する。
  2. 3m先の目印と座っている男性
  3. 椅子に座った姿勢からスタート。
  4. 「よーいスタート」などの合図で立ち上がり、目印を回って戻り、再び椅子に座るまでの時間を測る。
  5. 目印を回って戻ってくる男性

<年代別平均値 (平均値±標準偏差)>(※3)

  • 65~69歳:6.34 ± 1.15秒
  • 70~74歳:6.94 ± 1.28秒
  • 75~79歳:7.44 ± 1.51秒
  • 80歳以上:8.69 ± 2.21秒

<判定>(※4)

  • 13.5秒以上:転倒リスクが高い
  • 10.85秒以上:サルコペニアの可能性

片足立ちテスト

<準備するもの>

  • ストップウォッチ(スマートフォンの機能でも代用可能)
  • 壁やテーブルなどバランスを崩した際につかまれるもの

<方法>

  1. 近くに支えになるものを用意し、転倒しないよう安全を確保
  2. 直立の男性
  3. 左右どちらでも行いやすい片足を軽く床から浮かせ、片足で何秒立てるか計測
  4. 片足立ちをする男性
  5. 「よーいスタート」などの合図でバランスを崩してしまうことがあるため、ご本人のタイミングで開始する

<年代別平均値(平均値 ± 標準偏差)>(※3)

  • 65~69歳:40.8 ± 20.7秒
  • 70~74歳:32.5 ± 21.6秒
  • 75~79歳:25.5 ± 19.9秒
  • 80歳以上:16.2 ± 17.9秒

<判定> (※4)

  • 5秒未満:転倒リスクが高い
(※3) 出典:「介護予防マニュアル 第4版」|厚生労働省 (※4) 出典: 「フレイル理学療法ガイドライン」(PDF)|日本予防理学療法学会

リスクが高かった場合は、早めの相談· 行動につなげましょう

相談をするシニア

若い方であれば「運動するならフィットネスクラブへ」と考えるかもしれません。
しかし高齢者には“高齢者の体力· 病歴· 痛み”に合わせた運動が必要で、若い人と同じ方法では負担が大きすぎる場合があります。

だからこそ、独自に運動を始める前に、地域包括支援センターなどの公的機関や、必要に応じて医療機関へ相談すると安心です。

地域包括支援センターへ相談
フレイルや転倒リスクが疑われる場合、各自治体の地域包括支援センターが最初の窓口になります。体力低下の相談だけでなく、運動習慣づくりの支援も行っています。
自主グループや地域の運動教室へ
転倒予防体操、シニア向けサロンなど、地域で継続しやすい活動が豊富にあります。 楽しく続けられる場所に参加することで体力維持につながります。
病院受診が必要なケース
  • 関節に大きな痛みがある
  • 歩行(歩き方や速度)の急激な変化
  • 明らかな片側半身の筋力低下

などがある場合は、整形外科やかかりつけ医に相談を。

年末年始は“気づき”と“つながり”のチャンス

親御さんの体力チェックは、決して“できないところ探し”ではありません。
大切なのは、早めの気づきと楽しく続けられる場につなぐことです。
とくに、お孫さんと三世代でゲーム感覚で取り組むと、心の距離が縮まり、自然な雰囲気の中で体力の変化に気づけます。

「孫と一緒ならやってみようか」と、親御さんが前向きになることも多いです。
本記事の体力チェックを活用して年末年始のひとときが、親御さんの健康寿命を守る第一歩になりましたら幸いです。

SONOSAKI LIFEでは、健康づくりに役立つ情報や介護の「お悩み」に寄り添う情報をお届けしております。 他のコラムもぜひ、ご覧ください。

 記事監修 
  • 監修者写真
    小林 修
    株式会社DIGITAL LIFE
    WEBサービス事業
    理学療法士
    社会福祉主事

     

  • 大学卒業後、理学療法士や介護事業所の管理者としてデイサービス、特別養護老人ホーム、ショートステイなど、10年以上の現場経験があり、介護サービスの運営、スタッフ教育に従事。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、健康増進サービスの企画、開発に携わっている。