買い物かご

特集から探す

アクティビティ

【目指せ!美便!】便秘は認知症の敵|色や形をチェック!

認知症の人にとって便秘は最大の敵です。 便秘になることで腹部の不快感や自律神経が乱れ、興奮状態が続いて落ち着かない症状が悪化していきます。 そのような状態を防ぐためにも便秘を予防し、日々「美便」となるようにしていくことは重要となります。 では、「美便」とはどのような便でしょうか。


欠かせない体のシステム【排便】

便は食べ物が胃腸で栄養や水分を吸収した後に出る、体に不要な食物のカスなどです。 排便は私たちが生きていく上で重要な役割を果たしており、欠かせない体のシステムです。 消化→吸収→排泄がスムーズに行えているからこそ、心身共に健全な状態を保つことができるのです。


理想的な便=美便

美便とは、このような便を指します。


便 良い便

適度な柔らかさがあるバナナ状の便が、少しのいきみでスルリと出るのが理想です。爽快でスッキリした感覚が得られる便が「美便」となります。


美便チェック!【やわらかさ】

「美便」であるかを観察するときに重要なのが、含まれる水分量です。 全体の70~80%程度の水分が含まれていれば「美便」となります。 水分が60%以下になると硬い「コロコロ」とした便になり、90%以上になると「ビチャビチャ」の下痢状となります。 便の硬さや形状を判断する際には、1997年にイギリスのブリストル大学が提唱したブリストルスケールを参考にするとわかりやすいです。


便の形状

美便チェック!【におい】

「におい」も美便の重要な条件となります。 便の成分は水分・食物のカス以外に腸粘膜のカス・腸内細菌のカス(死骸)で、「におい」に影響するのが「腸内細菌のカス(死骸)」です。 腸内細菌には「善玉菌」「日和見菌(ひよりみきん)」「悪玉菌」があります。
中でも「悪玉菌」は肉や脂などをエサとしており、体内で分解するときに悪臭を作り出します。 さらに便秘で腸内に便が長くとどまると「悪玉菌」がさらに増えるため、イヤ~なにおいもそれだけ強まってしまいます。 「悪玉菌」を過剰に増やさないためには、食物繊維の豊富な野菜や果物、乳酸菌を含む味噌や醤油、お酢やヨーグルトなどの発酵食品を摂り、善玉菌を増やしていくことです。 「善玉菌」が増えていくと、便秘は改善して便のにおいも抑えられていきます。

※日和見菌…腸内の環境によって、善悪どちらにもなりうる菌のこと


善玉菌 悪玉菌

美便チェック!【色】

「美便」といえる色は「黄土色~茶色」ですが、便秘などで腸に便が長くとどまると便の色は濃く変化していきます。 便の色には病気が隠れていることがあるので、次のような便は注意が必要です。


  • ⚪ 白・灰色…脂肪の摂りすぎで消化不良や病気の可能性があります(バリウム服用後も同じような便が出ますが、問題ありません)

  • ⚫ 黒色…胃腸から出血しているかもしれません(鉄剤などの薬が影響している場合は問題ありません)

  • 🔴 赤色…痔の出血、あるいは腸の病気かもしれません

便の色で気になる場合は、医療機関へ相談しましょう。


美便チェック【スッキリ感があるか】

一般的に「3日以上排便がない場合」に便秘とよく言われますが、人によっては3~4日に1回など個人差があります。 目安は「定期的に体外に排出するべき量」の便がでているか、「スッキリとした爽快感」を感じられるかどうかです。 毎日排便があっても「便が残っている感じがある」「お腹の張りがおさまらない」「便が硬くて痛い」などの不快感が伴う場合は、便秘のケアが必要かもしれません。

美便で認知症の症状を改善

「美便」であれば体は健全な状態となり、精神的にも安定していきます。 逆に、便秘になると便の状態が悪くなり、腸内環境や胃腸の働きなどが悪化していきます。 腹部の不快感が常にあると認知症の症状にも影響していくため、日々「美便」を保つことは大切となります。 便は心と体のバロメーター、「美便」で快適で活発な生活が過ごせるようにしていきましょう。

 記事監修 
  • 監修者写真
    若橋 綾
    株式会社DIGITALLIFE
    管理部
    介護支援専門員

     

  • 介護支援専門員や介護事業所の管理者として10年以上の現場経験があり、家族問題を抱える家族や虐待案件も含め様々なケースを担当。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、企業向けに介護離職予防を目的としたセミナーの開催や介護に関する記事作成を行うなど活躍は多岐にわたっている。