
この記事では、いつまでも健康であり続けるための運動としてノルディック・ウォークを提案しています。 筋力アップや姿勢改善効果などに興味がある方へおすすすめです。 また、安全な歩行スタイルやポールの選び方ついてもわかりやすく解説しています。
この記事のポイント
- · いつまでも健康であり続けるため、1日1回はウォーキング
- · ノルディック・ウォークなら歩行姿勢も安定し、運動効果も抜群
- · 準備運動をしっかり行い、頑張りすぎず無理なく継続
健康寿命を知っていますか?
みなさんご存じのとおり、日本は世界屈指の長寿国です。しかし、何歳まで健康であり続けられるのでしょうか? WHO(世界保健機関)が「日常生活に制限ない期間の平均」を健康寿命※1として、世界183か国で調査した結果を公表しています。
平均寿命と健康寿命の差 2019年

日本の健康寿命は1位ですが、平均寿命と健康寿命の差は33位にとどまっています。 平均寿命と健康寿命の差とは、医療や介護を必要とする「日常生活に制限のある不健康な期間」のことです。 長寿自体は喜ばしいことですが、他の長寿国と同様に「10年近く医療や介護を受けながら生活する」という悩ましい現実が見えてきます。
不健康な期間の要因「衰弱」
高齢者が介護状態に陥る要因に「衰弱」(フレイルともいいます)があります。 「衰弱」と聞くと体の衰えを連想しがちですが、実はそれだけではありません。

身体的・心理的・社会的な要因が相互に影響することで負の連鎖を形成し、「衰弱」は加速していきます。
人と接する機会が減り、体力も低下することから外出が億劫となり、閉じこもった生活へと発展していきます。
健康長寿になるためには、いかにして「閉じこもり状態」に陥らないようにするか、つまり「閉じこもりの予防」が重要となります。
ノルディック・ウォークで心と体に活力を与えよう
「閉じこもり」の背景にある3つの要因を解消するためには、1日1回は散歩などで外出し、他者と交流する習慣を持つことが望ましいです。
しかし、体の衰えをケアしないまま外出を強行してしまうと、転倒やそれに伴う骨折などのリスクを高めてしまいます。
そこで、体力に不安がある方や足にふらつきのある方でも安心して取り組める“ノルディック・ウォーク”をおすすめします。
ノルディック・ウォークの注目ポイント
ノルディック・ウォークは、以下のようなメリットがあります。
- · 姿勢がよくなる
- · 楽に長く歩ける
- · 消費カロリーが増える
上半身が自然と起き上がり、歩く際の姿勢がきれいになります。
上半身が起きると、歩幅も拡がります。呼吸もしやすくなるので、楽に長く歩けるようになります。
腕振りが大きくなるので、肩回りや腕の筋肉をより使うようになります。 さらに推進力が強まることから、歩くスピードが上がり、距離も伸びてきます。消費カロリーが増え、筋力アップとダイエット効果も期待できます。
ノルディック・ウォークのはじめかた
まずはポールを用意しましょう。
ノルディック・ウォークはスキーのストックのようなグリップ(握り)の付いたポールを使用します。
ポールを使うことにより両手両足でカラダを支えることができ、上半身が起き上がるため呼吸が楽になり、疲れにくい歩行姿勢を維持できます。
ポールの選び方
ポールは、ご自身のニーズやカラダの状態に合わせて最適なものを選びましょう。


ポールを使った歩き方
ノルディック・ウォークにはいくつかの歩き方(スタイル)が存在します。
安全性が高く関節疾患が多い日本人におすすめなのが縦突き歩行のディフェンシブスタイルです。
杖を縦に突くことで速くなりすぎず、体重を両手両足支えることができます。
また、姿勢が起きるため腕と肩甲骨周囲の動きも大きく引き出すことができ、左右方向のふらつきが減少するという効果もあります。
まずは5分程度歩いてみよう
ノルディック・ウォークは手軽にはじめられ、散歩程度の時間で高い運動効果が得られます。
「健康長寿」を目指して無理なくはじめられるように、まずは5分程度で往復できるルート検討しましょう。
本記事で紹介している縦突き歩行のディフェンシブスタイルは安全な歩行スタイルですが、
いきなり“急な坂道”やポールの接地が安定しない“足元の悪い道”などを歩くことはおすすめしません。
また、出発前に「ポールは長さが合っているか」「伸縮部の緩みなどがないか」を点検し、季節や天候に合った服装や熱中症対策(水分・塩分の補給)にも配慮が必要です。 そして、準備運動をしてからスタートしましょう。
