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大人のおむつかぶれの原因・予防法とは?高齢者の肌を守るケア方法を詳しく解説

介護用おむつ

自立排泄が難しい高齢者を助けるアイテムとして、紙おむつは有効ですが、おむつかぶれができる恐れがあります。 特に、おむつかぶれは何度もできることがあるため、どうしたらきちんと防げるのか悩んでいる方も多いでしょう。

本記事では、大人のおむつかぶれができる原因や予防法、できたときのケア方法を解説するので、ぜひ自宅での介護ケアの参考にしてください。



大人のおむつかぶれを引き起こす3つの原因

 高齢者の肌

大人のおむつかぶれは、十分気をつけていてもできることがあるため、日々悩んでいる方も少なくありません。 そこで、おむつかぶれを引き起こす3つの原因について解説します。


加齢による肌機能の低下

人間の肌には、外的刺激から身体を守るためにバリア機能が備わっています。 しかし、肌のバリア機能は加齢に伴って徐々に低下します。

また、加齢により皮脂などの分泌も低下するため、肌が乾燥しやすくなります。 バリア機能の低下と乾燥、この2つの要因が重なることで、 高齢者の肌は若い世代の人よりも肌が傷つきやすく なり、 常におむつかぶれが起きやすい状態になっています。


着用時間が長い

長時間おむつを着用していると、汗などでおむつ内が蒸れ、 雑菌が繁殖しやすくなります。 繁殖した雑菌は、陰部やおしりなどに付着するとおむつかぶれを誘発します。

さらに、着用時間が長いと、尿や便といった排泄物が肌に付着している時間も長くなります。 その結果、付着した排泄物の水分や消化酵素などが肌に吸収され、肌の表面と内部の両方にダメージを与えることで誘発する場合もあります。


肌への刺激

高齢者の肌は、若い世代の人よりもバリア機能が低下し、厚みが薄くなっています。 そのため、おむつのわずかな擦れでも皮膚が傷つき 、 そこへ雑菌や排泄物などが付着することでおむつかぶれを誘発します。

また、陰部やおしりを洗浄するときの洗浄液やタオルなどの刺激にも弱いため、清潔な状態を保とうとした結果、肌を傷つけてしまうことも少なくありません。 おむつかぶれを起こさないように対策した結果、かえって起こりやすくなる場合があるので要注意です。


大人のおむつかぶれを予防するために

スカートをひっぱる高齢者

高齢者の皮膚はとてもデリケートなため、常におむつかぶれが起きやすい状態になっています。 そこで、大人のおむつかぶれができないようにする予防方法について解説します。


おむつの交換頻度を増やす

おむつの着用時間が長くなるほど、おむつかぶれを引き起こすリスクが高くなります。 そこで、おむつの交換頻度を増やし、汗や排泄物などでおむつ内が蒸れない環境を作ることが効果的です。

ただし、排泄物の有無でおむつ交換の必要性を考えると、汗蒸れによって雑菌が繁殖したおむつを長時間着用させてしまう可能性があります。 排泄物がなくても3時間ごとに交換する など、あらかじめ交換タイミングを考えておくことが重要です。

また、夜間も日中と同じタイミングでおむつを交換しようとすると、介護者にも本人にも大きな負担がかかります。 そこで、吸収量の多いパッドやおむつを利用して、夜間だけは着用時間を長くするようにしましょう。 おむつかぶれの対策も重要ですが、介護者にも本人にも無理のない介護ケアを考えることも大切です。


おむつ交換のやり方を改善する

おむつやパッドの交換時に肌を傷つけたことで、おむつかぶれを誘発してしまう場合があります。 例えば、以下のようなおむつ・パッド交換は肌を傷つける可能性があります。


  • おむつをあてる位置が合わないときに引っ張って調整する
  • パッドを引き抜くように取り外す

こうした無理なおむつ・パッド交換するのではなく、 肌への摩擦刺激を最小限に抑える交換方法 へ改善しましょう。

一方、肌を傷つけないようテープの止め方を緩くすると、おむつの固定力が弱くなり、日中の活動中におむつがズレることがあります。 適切におむつを着用できていないと、排泄物が漏れたり、肌に擦れる頻度が増えたりしてしまいます。 そのため、力を入れなくてもおむつを正しく固定できる方法を身につけることも有効です。


洗浄方法を見直す

おむつ交換時などに、陰部やおしりを洗浄することはおむつかぶれの対策にはとても有用です。 しかし、しっかりと排泄物などを拭き取ろうとしてゴシゴシ擦ってしまうと、肌を傷つけてしまいます。 さらに、洗いすぎると肌の皮脂を落としすぎてしまい、バリア機能を低下させる恐れがあります。

そのため、洗浄方法を見直し、 肌に優しい洗い方へ改善する ことが大切です。 洗浄液は泡立ててから肌につけ、タオルなどを押し付けるようにして水分を拭き取るといったことを徹底しましょう。


身体に合うおむつを使う

大人用おむつは幅広い種類が販売されており、商品によってサイズや形が異なります。 身体に合わないサイズのおむつを使っていると、締付けが強くなったり、きちんと固定できずにズレやすくなったりします。 その結果、摩擦刺激が増えおむつかぶれが起こりやすくなるので、 体格に合ったサイズのおむつ を使いましょう。

また、おむつによっては通気性が良かったり、肌に優しい素材が使われていたりします。 予防に適したおむつもありますが、商品説明だけで最適なおむつを選ぶのは難しいです。 そのため、気になったおむつをいくつか試してみて、その中から扱いやすいおむつを使うことがおすすめです。


大人のおむつかぶれのケア方法

肌クリーム

大人のおむつかぶれの原因はいくつもあるため、おむつ交換や洗浄の方法に気をつけていても症状が出る場合があります。 ここでは、できてしまった場合のケア方法について解説します。


保湿・保護ケアを徹底する

洗浄後の肌は、汚れとともに皮脂も落ちているので、とても乾燥しやすい状態です。 そのため、洗浄後には保湿ケアを徹底し、 肌のうるおいをキープすることで肌のダメージを抑制 しましょう。

さらに、排泄物が肌に付着するのを防ぐ「保護剤」も一緒に塗布することで、よりおむつかぶれの悪化を防げられます。 また、保湿・保護ケアは、予防対策としても効果的です。 日頃から保湿・保護ケアをしつつ、赤みやかゆみ、細かい・小さいプツプツといった初期症状が見られたら、患部に重点的なケアを施すといった対策を行いましょう。


「大人のおむつかぶれの原因・予防法とは?高齢者の肌を守るケア方法を詳しく解説」 まとめ

大人のおむつかぶれは、加齢によって肌がダメージを受けやすい状態になることが大きな要因です。 普段の何気ない行動や介護ケアによって、おむつかぶれができてしまうことも多いので、完全に予防することは難しいでしょう。

そのため、予防法だけでなく、できてしまった場合に備えて、ケア方法も知っておくことが大切です。 おむつかぶれのリスクを最小限に抑えつつ、症状が現れたら迅速にケアを行い改善 することで、 介護をする方と受ける方、双方の負担を軽減した快適な暮らしを実現しましょう。

SONOSAKI LIFEでは、健康づくりに役立つ情報や介護の「お悩み」に寄り添う情報をお届けしております。 他のコラムもぜひ、ご覧ください。

 記事監修 
  • 監修者写真
    小林 修
    株式会社DIGITAL LIFE
    WEBサービス事業
    理学療法士
    社会福祉主事

     

  • 大学卒業後、理学療法士や介護事業所の管理者としてデイサービス、特別養護老人ホーム、ショートステイなど、10年以上の現場経験があり、介護サービスの運営、スタッフ教育に従事。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、健康増進サービスの企画、開発に携わっている。