「最近、体が重くだるい」「急に気分が落ち込む」と感じていませんか?
2月は暦の上では春ですが、実は一年で最も自律神経が乱れやすい時期です。高齢者の方は特に、加齢による調節機能の低下から、若い世代以上に影響を受けやすい傾向があります。この記事では、2月に起こりやすい不調の原因と、今日からできる簡単な整え方をわかりやすく解説します。
なぜ季節の変わり目に体調不良が起こるのか?
季節の変わり目は、気温などの変化に身体が対応しようとすることで体調不良を招きます。どのようにして体調が悪くなるのか、その要因やメカニズムを解説します。
寒暖差疲労とエネルギー消耗
季節の変わり目は、一日のうちの寒暖差や日ごとの気温変化に合わせようとして、自律神経が常にフル稼働しています。自律神経には、血管を収縮・拡張させて体温を一定に保つ役割を担っていますが、激しい気温変化に対応し続けることで、過剰に働いた状態になります。
その結果、自律神経の稼働に膨大なエネルギーを消耗してしまうのです。こうした状態を「寒暖差疲労」と呼び、心身ともに大きな倦怠感や疲労感を引き起こす原因となります。
冬から春への切り替えによる負担
年齢を重ねると、血管が硬くなり、筋肉も減っていきます。そのため、体内で熱を作る力が弱まり、血液で全身に熱を届ける力も衰えてしまうのです。
私たちの体は季節に合わせて変化しており、冬は寒さに耐えるため「省エネモード」で過ごし、春になると「活動モード」に切り替わります。しかし、この切り替えには心と体に大きな負担がかかります。
高齢者は血管や筋肉の衰えにより、この切り替えがうまくできません。その結果、気温の変化についていけず、冬から春への移行に時間がかかってしまうのです。そして、自律神経が回復するまでに時間がかかり、だるさなどの体の不調が長引きやすくなります。
日照時間の変化とホルモンバランス
2月は徐々に日が長くなりますが、この日照時間の変化は体内時計にズレを生じさせます。このズレが、心の安定を司る「セロトニン」や睡眠を促す「メラトニン」の分泌バランスを乱すことで、情緒不安定や睡眠の質の低下を招く一因となります。
【セルフチェック】自律神経の乱れで起こる症状
季節の変わり目で自律神経が乱れると、さまざまな症状を引き起こします。いち早く寒暖差などによる体調不良を見極めるためにも、自律神経の乱れが招く代表的な症状を解説します。
だるさ・疲労感
自律神経が乱れると、体のエネルギーをうまく使えなくなります。すると、次のような症状が現れます。
- 朝からやる気が出ず、体が重く感じる
- しっかり休んでも、疲れが取れない
不眠・睡眠の質低下
自律神経の切り替えがうまくいかないと、夜になっても副交感神経が優位になりません。すると、身体や心がリラックスモードに入れず、眠りが浅くなります。このような状態に陥ると、主に次のような症状が現れます。
- なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める
- 睡眠時間は十分なのに、朝起きても疲れが取れない
頭痛・めまい・肩こり
気圧や気温が急に変わると、血管が縮んだり筋肉が緊張したりします。特に気圧の変化は、耳の奥にあるセンサー(内耳)を刺激し、脳にストレス信号を送ります。その結果、次のような症状が現れやすくなります。
- 頭痛や頭が重く感じる
- 立ちくらみや、ふわふわとしためまい
- 慢性的な肩こり
2月特有の体調不良を招く要因
寒い季節から暖かい季節へと変わっていく2月は、特に季節の変化による悪影響が現れやすいといわれています。体調不良を招く2月特有の要因について解説します。
三寒四温による気温変化
2月の気候は「三寒四温」と呼ばれるように、3日間の寒い日と4日間の暖かい日が交互に訪れる激しい気温変化が訪れます。高齢者は、特に皮膚の温度センサーの感度が低下しているため、この気温変化に身体がうまく対応できません。その結果、気づかないうちに体温調節障害による自律神経が乱れ、心身に大きな負担がかかり体調を崩しやすくなるのです。
春一番と気圧の急降下
2月は「春一番」に代表される強い風が吹くほど、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わります。気圧が急に下がると、耳の奥にある「内耳」が気圧の変化を敏感に察知し、脳にストレス反応が伝わります。すると、自律神経が興奮状態になり、次のような症状が現れることがあります。
- 頭痛の発症・悪化
- 血圧の上昇
- 関節の痛み
- イライラや不安感が募る
日照時間の増加による生体リズム変化
2月になると、徐々に日照時間が伸び始めます。しかし、冬の短い日照に慣れていた体にとっては、急激な変化になるため、新しい日照時間にすぐに慣れることができません。
すると、体内時計が新しい光のリズムに順応するまでの間、自律神経のオンとオフの切り替えがうまくいかなくなり、体調不良が起きやすくなります。特に、次のような症状が、生活リズムの不一致によって現れやすくなります。
- なんとなく元気が出ない
- 逆に過剰に活動的になり、後でどっと疲れが出る
自律神経を整える!2月から始めたい対策
2月に起こりやすい体調不良の大きな原因は、自律神経の乱れに大きく関わっています。季節の変わり目の体調不良を対策するために、自律神経を整えるセルフケア方法を紹介します。
「3つの首」を温めて冷えを防ぐ
首、手首、足首の「3つの首」は、皮膚の近くに太い血管が通っています。これらの部分を重点的に温めることで、効率よく全身の血行を改善できます。スカーフや靴下、腹巻きなどを使って保温し、自律神経への負担を減らしましょう。外出時はもちろん、室内でも冷えを感じる前に保温することが大切です。
朝の太陽光と温かい飲み物でリズムを整える
太陽光には体内時計をリセットする効果があり、生活リズムが整いやすくなります。そのため、朝起きたらまずカーテンを開け、5~10分程度でも太陽の光を浴びることが、自律神経のためには重要です。
また、朝一番に温かい飲み物を飲むことで、内臓から身体を温め代謝を高める効果が期待できます。身体を温めることで、活動モードへの切り替えがスムーズになり、朝からでも活発に活動できるようになります。
耳を温めて深呼吸でリラックス
気圧の変化に弱い方は、耳の周りの血流を良くすることが効果的です。耳の周りを優しくマッサージしたり、ホットタオルで温めたりすることで、内耳の血流が整い、めまいや頭痛の予防につながります。
また、お腹で息をするイメージで、ゆっくり深呼吸することもおすすめです。特に息を長く吐くことを意識すると、副交感神経が優位になり、高ぶった神経を鎮めて心身をリラックスモードへ切り替えることに有効です。
自律神経を整えて、健やかな春を迎える準備を|まとめ
季節の変わり目に感じる不調は、決して「気のせい」ではありません。環境変化に一生懸命適応しようとしている、自律神経の頑張りの証なのです。
そこで、2月特有の三寒四温や気圧の変動という要因を正しく理解し、自分の身体を労わってあげましょう。まずは今日から、「朝起きたら太陽を浴びる」「ゆっくり深呼吸をする」など、たった一つだけ新しい習慣を始めてみてください。それが、健やかな春を迎えるための大きな第一歩となります。
ただし、症状が1週間以上改善しない、あるいは日常生活に支障が出るほどつらい場合は、無理をせずにかかりつけ医などを受診してください。
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