買い物かご

特集から探す

アクティビティ

【高齢者の水分補給おすすめは?】1日の摂取量目安と推奨飲料5選

高齢者の水分補給

ご高齢の方の水分補給について悩んでいませんか?
水分不足は、熱中症せん妄(話す言葉やふるまいに一時的に混乱が見られる状態)のリスクを高め、 健康に深刻な影響を与える可能性があります。
本記事では、高齢者の水分補給の重要性と、1日の摂取量の目安、おすすめの飲料について詳しく解説します。



高齢者の水分摂取量が少ないとどうなる?

水分補給を怠り体調不調になった高齢者

水分不足になりやすい高齢者

高齢者は、若い世代と比べて水分不足に陥りやすい傾向があります。
高齢になると体の老廃物を排出する際に多くの尿を必要とする上、筋肉量低下によって若年者よりも体内に水分を貯めづらくなってしまうためです。

さらに、加齢に伴い、暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなります。自発的に水分を摂取する機会が減ってしまうため、 知らず知らずのうちに脱水状態に陥ってしまうリスクが高まってしまうのです。


熱中症になるリスク

さらに夏場は、体温調節機能も低下しているため熱中症のリスクも高まります。
高齢になると、老化現象により皮膚の血流量や発汗量の増加が遅くなることで熱が体外に放出されにくくなり、体に熱がたまりやすくなってしまいます。

また、適切な水分補給だけに限らず、さまざまな熱中症対策も重要です。 エアコンや扇風機を上手に使用して部屋の温度を調整したり、暑い時間帯の外出は控えめにするなど、対策を講じましょう。


せん妄のリスク

脱水(水分不足)は、高齢者のせん妄(話す言葉やふるまいに一時的に混乱が見られる状態)のリスクを高める要因の一つでもあります。
せん妄とは、急に意識がもうろうとしたり、周りの状況が理解できなくなったりする状態のことです。

脱水によって体内の水分や電解質のバランスが崩れると、脳の働きに影響を及ぼすことがあります。
そのため、意識がはっきりしない、時間や場所が分からなくなる、興奮したり幻覚が見えたりするなどの症状が現れ、せん妄状態になってしまうことがあるのです。

意識が朦朧(もうろう)とした状態や幻覚が原因となり、転倒・骨折などの事故や怪我にもつながる可能性もあるため、水分補給し予防することが重要です。



高齢者の1日水分摂取量の目安はどれくらい?

高齢者の1日の水分量目安

食事以外で1日1.2Lを目安に、こまめに飲もう

1日の水分摂取量の目安は、食事以外で1.2リットル程度とされています。 これは、コップ6杯分に相当します。 ただし、目安は個人差があるため、体格や活動量、気温や湿度などを考慮して調整することが大切です。

高齢者はのどの渇きを感じにくいため、意識的にこまめに水分補給する習慣をつけることが重要です。 食事中や食事の合間・入浴後・運動後などに、小まめに飲むようにしましょう。


水分の取り過ぎにも注意

いくら水分摂取が必要であると言っても、飲み過ぎは控えましょう。 病気や服用している薬によっては、むしろ水分制限をすべき場合もあります。
たとえば、腎臓の機能が低下している方は、体内の水分や塩分が排出されにくくなるため、医師の指示に従って水分摂取量を調整する必要があります。

また、心疾患などで利尿剤を使用している方も、水分の取り過ぎに注意が必要です。 利尿剤は体内の余分な水分を排出する働きがあるため、多量の水分摂取は薬の効果を弱めてしまう可能性があります。
医師や薬剤師と相談し、適切な水分摂取量を確認しましょう。


高齢者の水分補給におすすめな飲料

高齢者の水分補給におすすめな飲料

本人が飲みたいものを選んでもらおう

ご高齢の方の水分補給では、本人の好みを尊重することが大切です。 無理に飲ませるのではなく、本人が飲みたいと思えるものを選んでもらいましょう。 好みの飲み物や飲み方であれば、自然と飲む量が増え、十分な水分補給につながります。

たとえば、普通の麦茶ではあまり飲めないけど砂糖を少し入れると飲める、冷たいものだと飲めないけど常温や温かいものであれば飲めるという方もいます。 また、体調によっても好みの味は変わってくるので、何種類か飲み物を用意して何が飲みたいか選んでいただくことも良い方法でしょう。


お茶やコーヒーはNG

ただしお茶やコーヒーは、高齢者の水分補給にはあまり適していません。 これらの飲料に含まれるカフェインには利尿作用があり、体内の水分を排出してしまうためです。

とくに高齢者は、カフェインの影響を受けやすく、脱水症状を引き起こすリスクが高まります。 水分補給を目的とする場合は、カフェインレスな飲み物を選ぶことが賢明です。
以下に記した飲み物はカフェイン含有量が高く、注意が必要です。


  • コーヒー
  • 紅茶(とくに濃い目に淹れた紅茶)
  • 緑茶(煎茶、玉露など)
  • ウーロン茶
  • コーラ
  • ココア
  • マテ茶

水や経口補水液がおすすめ

高齢者の水分補給には、水や経口補水液がおすすめです。
水は体内で最も必要とされる飲料であり、どのような状況でも安心して飲むことができます。 経口補水液は、水分が体内によりはやく吸収されるように、電解質(ナトリウムやカリウムなど)を理想的なバランスで含んでいるため、脱水症状の予防・改善に効果的です。

また、既に脱水状態となっている場合には真水を飲んだとしても塩分(ナトリウム)が補給されていないと水分は細胞内に入り込むことができず、細胞レベルでは脱水状態が続いてしまいます。 細胞内にまで水分を届けるには、ナトリウムをはじめとした電解質を同時に摂取することが必要となります。

たとえば、「大塚製薬 OS-1 オーエスワン ( 経口補水液) 500ml 24本入り」は、手軽に利用できる経口補水液として人気があります。 脱水予防にはもちろん、脱水状態になってしまった場合に備えて常備しておくこともおすすめです。

ご購入はこちらから

飲み込みにくい場合はとろみをつけたものも人気です

飲み込む力(嚥下機能)が弱くなっている方には、とろみをつけた飲料ゼリー飲料がおすすめです。 とろみがあることで、飲み物が口の中で拡散せず、飲み込みやすくなります。

たとえば、「大塚製薬 OS-1 オーエスワン ゼリー 200g×30個入り」や「森永 クリニコ レモンと乳酸菌の水分補給ゼリー 130g×24袋」「キッセイ薬品工業 のみや水 ほんのりレモン風味 150g×36個」は、 ゼリー状の経口補水液として人気があります。
また、「大和製罐 エバースマイル 【お試し】とろみ飲料275g 8本 (4種×各2本)」のように、さまざまな味が楽しめるとろみ飲料もおすすめです。

【高齢者の水分補給おすすめは?】1日の摂取量目安と推奨飲料5選 まとめ

高齢者の健康維持には、適切な水分補給が欠かせません。 加齢に伴う体の変化により、高齢者は水分不足に陥りやすく、熱中症やせん妄のリスクが高まります。 1日の水分摂取量の目安は、食事以外で1.2リットル程度ですが、個人差や健康状態に応じて調整することが大切です。

高齢者の水分補給では、本人の好みを尊重しつつ、カフェインを避け、水や経口補水液をおすすめします。 飲み込む力(嚥下機能)が弱くなっている方には、とろみをつけた飲料やゼリー飲料も効果的です。
高齢者の方々やそのご家族、介護者の方々は、こまめな水分補給を心がけ、脱水症状のサインを見逃さないよう注意しましょう。


参考文献

「健康のため水を飲もう」推進運動(国土交通省)

熱中症を防ぐために知っておきたいこと:熱中症予防のための情報・資料サイト(厚生労働省)

パンフレット「高齢者のための熱中症対策_A4」(厚生労働省)

 記事監修 
  • 監修者写真
    小林 修
    株式会社DIGITAL LIFE
    WEBサービス事業
    理学療法士
    社会福祉主事

     

  • 大学卒業後、理学療法士や介護事業所の管理者としてデイサービス、特別養護老人ホーム、ショートステイなど、10年以上の現場経験があり、介護サービスの運営、スタッフ教育に従事。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、健康増進サービスの企画、開発に携わっている。