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【その腰痛、骨盤のせいかも?】理学療法士がおすすめの運動を解説!

腰痛と骨盤

現代における腰痛は、様々な理由から起こるとされていて、中には原因がはっきりしないまま痛みに悩まされているケースもあります。そういったつらい腰痛の原因が『骨盤』にある場合も。


骨盤には、『仙腸関節』という関節があるのをご存知でしょうか?椅子に座っている状態で痛みがある方や、片側のお尻・股関節の付け根である鼠径部(そけいぶ)・大腿部の外側に痛みがある症状の方は要注意です。骨盤にある仙腸関節が原因で腰痛が起こっていることがあります。
これを仙腸関節障害と言い、仙腸関節障害が起こる年齢層は若年から高齢者までと幅広く、男女比は1:2で女性に多く見られます。


仙腸関節から起こる腰痛の改善には、適切な運動が効果的です。無理なくご自宅で取り組める運動を、リハビリの専門家である理学療法士がご紹介していきます。

骨盤にある仙腸関節とは

仙腸関節は上半身と下半身をつなぐ骨盤にあり、骨盤を形成する仙骨と腸骨の間にある関節です。
骨盤には左右の寛骨、仙骨、尾骨があり、寛骨は、腸骨・坐骨・恥骨という3つの骨で構成されています。 腰に手を当てた時の骨の出っ張り部分を腸骨、椅子などに座ったときに座面に当たる骨が坐骨、両足の付け根の間にあるのが恥骨となります。
骨盤にある腸骨と仙骨の2つの骨の間にある関節、これを『仙腸関節』と言います。

仙腸関節

仙腸関節の役割とは

仙腸関節には次のような役割があります。


理学療法士が解説


  • ① 体重の約2/3を占める上半身を支える

  • ② 上半身の荷重を下肢に伝える

  • ③ 地面からの衝撃を吸収する

仙腸関節は背骨と骨盤をつなぐ重要な関節です。 その1つに、仙腸関節と寛骨・仙骨・恥骨結合(骨盤にある左右の恥骨の間に存在する部分)により形成されている骨盤輪というものがあります。この骨盤輪全体の安定性が上半身の荷重を下肢に伝えているとされています。そのため仙腸関節に異変が起こると、骨盤輪の安定性がくずれ、上半身の荷重を下肢に上手く伝えることができず、カラダ全体に影響を及ぼすことになります。


骨盤輪

仙腸関節から起こる腰痛とは

骨盤にある腸骨と仙骨2つの骨の間には仙腸関節という重要な関節があることをお伝えしましたが、その仙腸関節に痛みが起こる仙腸関節障害は、腰痛を引き起こす原因の一つです。


骨盤を構成している骨は、関節が不安定にならないように強い靭帯(じんたい)(関節の補強と関節の動きを制限する弾性繊維からできた帯状の結合組織)で結ばれていることから、関節そのものの動きはそれほど多くはありません。 骨盤内にある仙腸関節も同様に、多くの靭帯により固められています。これは、仙腸関節の役割でもあったように、上半身・下半身からの衝撃を吸収・分散といった重要な役割を担っているからです。
仙腸関節に以下のような原因で障害が起こると、仙腸関節が役割を上手くこなすことができず骨盤に負担がかかることで炎症を引き起こし、腰への影響として腰痛が現れるのです。


仙腸関節障害の原因


  • 中腰での作業や仙腸関節に負担のかかる急な動作・繰り返し同じ動作により、仙腸関節が緩み、周囲の靭帯にストレスが加わる。

  • 出産で靭帯が損傷したような状態になったり緩んだりする。

  • 体幹やお尻など股関節まわりの筋力が落ち、からだを支えていた筋肉の衰えにより仙腸関節に必要以上の可動性が生じ、骨盤全体が不安定となる。

腰の痛みの進度


こんな症状ありませんか?

普段の生活の中でこんな痛みや症状があったら、要注意かもしれません。


  • ✅ 片側のお尻、股関節の付け根である鼠径部(そけいぶ)、大腿部の外側に痛みがある

  • ✅ 出産後からお尻のあたりが痛い

  • ✅ 椅子での座位時に痛みが出現

  • ✅ 仰向け・横向き(痛みが出現する方が下側)時に痛みが出現

  • ✅ 動きだし時に痛みが出現

  • ✅ 仙腸関節部での圧痛

  • ✅ 骨盤固定にて疼痛の軽減


こんな姿勢をしていませんか?

普段の姿勢で思い当たることがある方は、骨盤姿勢が崩れているかもしれません。


  • ✅ 座る際に、何気なく足を組む

  • ✅ 片尻体重(座っている際に左右のお尻に均等に体重がのっておらず、片方のお尻に体重の比重が多い)になっている

  • ✅ 片足体重(立っている際に左右の足に均等に体重がのっておらず、片方の足に体重の比重が多い)になっている

このような、日常の骨盤の姿勢に気を付けることで良い骨盤姿勢を保つことや、このあと紹介する運動を行うことで、腰痛の軽減と再発予防につながります。


良い骨盤姿勢と骨盤が歪む姿勢

では、良い骨盤姿勢とはどのようなものでしょうか。それは、前腸骨棘(ぜんちょうこつきょく)と恥骨結合を結んだ三角の幅が、左右対称に同じ角度で開いている状態を指します。


良い骨盤姿勢

良い姿勢の時の骨盤の状態

良い骨盤姿勢とは反対に、姿勢が前傾や後傾になっていると、骨盤も歪んだ状態になってしまいます。このような姿勢は仙腸関節に負担がかかり、骨盤のずれから引き起こる腰痛の原因になるのです。


前傾姿勢で骨盤が崩れている状態

後傾姿勢で骨盤が崩れている状態

【必見!】仙腸関節から起こる腰痛を改善する運動

ずれが生じた骨盤の位置を正しく修正することで、腰の痛みを軽減することができます。正しい骨盤の位置を保てるように骨盤周囲のストレッチ運動筋力トレーニングを行うことが効果的です。 また、ストレッチ運動をすることで代謝が良くなり、左右の筋肉の伸び縮みの力も均等になり、骨盤や骨盤まわりの筋肉のバランスが整います。


骨盤周囲のストレッチ運動

硬くなって代謝が悪くなった筋肉の柔軟性を向上する、効果的なストレッチをご紹介します。




ふともも前のストレッチ


①  横向きになり、膝をかかえるようにからだを少し丸める。


横向きになり、膝を抱えるようにからだを少し丸めた女性



②  上になっている脚の膝を曲げ足首を持つ。


上になっている脚の膝を曲げ足首を持つ女性



③  足首をお尻に近づけ、膝は背中側に引く。


足首をお尻に近づけ、膝は背中側に引いた女性

足首をお尻に近づけ、膝は背中側に引いた女性



④  ③を太もも前が気持ちよく伸びているのを感じるくらいの強さで15秒行う。




⑤  これを5回行う。




⑥  反対側も同じように行う。




腰回りのストレッチ


①  椅子に横向きに座る。


椅子に横向きに座る女性



②  片方のお尻を椅子から落とし、浮かせておく。


片方のお尻を椅子から落とし、浮かせておく女性



③  お尻が浮いている方の足を徐々に後ろに引く。


お尻が浮いている方の足を徐々に後ろに引く女性



④  姿勢は前かがみにならないように、上半身を起こした姿勢をキープする。




⑤  鼠径部(股関節の付け根)が気持ちよく伸びているのを感じるくらいの強さで15秒行う。




⑥  これを5回行う。




⑦  反対側も同じように行う。




ふともも後ろのストレッチ


①  仰向けになり、片方の膝の裏に両手を伸ばし、膝を胸の方へかかえる。


仰向けになり、片方の膝の裏に両手を伸ばし、膝を胸の方へかかえる女性



②  膝をかかえしっかり固定し、膝をゆっくり伸ばしていく。


膝をかかえしっかり固定し、膝をゆっくり伸ばしていく女性



③  ふともも後ろが気持ちよく伸びているのを感じるくらいの強さで15秒行う。




⑥  これを5回行う。




⑦  反対側も同じように行う。





骨盤周囲の筋力トレーニング

コルセットの役割をもつインナーマッスルの1つである腹横筋を、ドローインで鍛えましょう。




インナーマッスルを鍛えるドローイン


①  仰向けになり、両膝を立てる。おへそから3㎝下へ両手を置く。


仰向けになり、両膝を立てる。おへそから3㎝下へ両手を置く女性



②  深呼吸を行う。

まずは、丁寧にゆっくり息を吐くことから行い、息を吐いた時にこれ以上お腹が凹まないというところまでお腹を凹ませていく。息を吐く時間は長ければ長いほど良い。息を吐ききったら、次は、息を吸う。息を吸ったときはお腹を膨らませる。


深呼吸を行う女性



③  深呼吸を繰り返し行う。

最初は5回を目安におこない、余裕がある方や体調に変化がない方は10回を目標に行う。




お尻を鍛える『お尻上げ』


①  仰向けになり、両膝を立て、足を肩幅に広げる。


仰向けになり、両膝を立て、足を肩幅に広げる女性



②  手のひらを床につけ、脇を広げる。




③  お尻を床から離すように、ゆっくり持ち上げる。


手のひらを床につけ、脇を広げる女性



④  ③の体勢は、膝の高さから肩の高さまで一本の線が引けるようにする。




⑤  最初は5回を目安に行い、余裕がある方や体調に変化がない方は10回を目標に行う。




運動を行う際の注意

痛みが強くご自分での運動が難しい方は、一度、専門の整形外科で見てもらいましょう。そして、痛みの軽減を図ってから、運動を開始しましょう。また、腰痛があり下記のような症状がある方は、運動適応外の疾患の可能性もあります。運動を行われる前に、病院の受診をおすすめします。


  • 📌 尿トラブル
  • 📌 肛門周囲の麻痺
  • 📌 安静な状況でも軽減しない腰痛
  • 📌 進行性の神経症状をお持ちの方
  • 📌 悪性腫瘍の既往歴
  • 📌 急な体重の減少

腰痛と骨盤 まとめ

骨盤にある『仙腸関節』から引き起こされる腰痛について解説してきました。 仙腸関節はヒトの身体における重要な関節であり、上半身と下半身をつなぐ重大な役割をもつ部分であることから、負担がかかりやすく、ゆえに腰痛が起こりやすい部分でもあります。


骨盤にある靭帯の緩みや、骨盤位置の上下や左右の差から腰痛を引き起こさないために、普段から姿勢の左右差や前後差に気を付けるといった、日常の何気ない動作や姿勢を正すよう心がけることはとても大切です。

また、ご紹介した仙腸関節や股関節の動きをよくする運動を行うことも腰痛の軽減に効果的です。毎日の生活に、正しい姿勢や適切な運動を取り入れることで仙腸関節への負担を減らし、腰痛の軽減や再発を予防していきましょう。


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 記事監修 
  • 監修者写真
    滝口 めぐみ
    株式会社DIGITALLIFE WEBサービス事業
    理学療法士

     

  • 専門学校卒業後、株式会社ツクイ入社。
    従業員向けに機能訓練に関する教育研修に従事。
    現在は、一般市民向けの介護予防教室の講師や健康増進サービスの企画、開発に携わっている。