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腰痛ベルトとストレッチで腰痛改善|理学療法士が丁寧に解説

腰痛改善
 

この記事では、慢性腰痛が悪化するメカニズムと改善に効果のあるストレッチを解説します。 また、急性期から慢性期まで幅広く使うことができる理学療法士イチオシの腰痛ベルトも併せてご紹介します。 慢性腰痛でお悩みの方はぜひ、参考にしてください。

 

この記事のポイント

  • · 慢性腰痛悪化に至る負の連鎖を知ろう
  • · 腰痛ベルト(コルセット)を使って過度な安静を防ごう
  • · ストレッチと運動で負の連鎖を断ち切ろう
 
 

慢性腰痛悪化のメカニズム

腰の痛みが3ヵ月以上続くことを、慢性腰痛(症)といいます。 慢性腰痛となる要因は多くあり、ケガや病気(脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症など)のほかに、疲労の蓄積や運動不足などはっきりとした病名がつかない腰痛も存在します。

 

腰が痛くなると「安静にした方が早く良くなるのでは?」と考える人が多く、動きたくない気持ちも重なり活動量が低下してしまうことがあります。 しかし、「安静にする」は「動かない」ことでもあり、運動不足から負の連鎖に陥り、慢性腰痛が長引いてしまいます。 慢性腰痛が長期化する「負の連鎖」を止めるには、どうすればいいのでしょうか。

 
腰痛 負のサイクル
 

過度の安静には要注意!

痛みの強い時期は安静にする必要があります。 しかし、過度の安静は筋肉が衰えることで血行が悪くなり、慢性腰痛が悪化してしまいます。
慢性腰痛の改善第一歩は、腰を守りつつ安静期間を短くすることです。 そうは言っても痛みに耐えながら動くことは大変ですし、無理な姿勢や動作でますます腰痛を悪化させてしまう恐れもあります。

 

【腰をホールドして痛みから守る】痛みの強い時期はコルセットがおすすめ

強い腰痛があり単純な動作を行うのも難しい時期は、腰そのものを安定した位置に保つ必要があります。
そんな時期におすすめなのが、幅広ベルトのコルセットです。 しっかりとした固定力と伸縮素材によるフィット感で、日常の動作から腰をがっちり守ってくれます。
痛みが和らぎ、少し体を動かせるようになったら、次のステップ「ストレッチ」に進みましょう。

強い痛みが落ち着いたら【4つのストレッチ】で慢性腰痛を改善

コルセットを使用することで痛みが和らいできたら、適度なストレッチを日常生活に取り入れて負の連鎖を断ち切りましょう。 腰を支える筋肉は、おおまかにいうと4つあります。


  1. 太ももの裏(ハムストリングス)
  2. 太ももの前(大腿四頭筋)
  3. お尻(大殿筋)
  4. 腰の内側(腸腰筋)

これらの筋肉を適切に伸ばすことで、強靭かつしなやかな筋肉に変化していきます。 しなやかな筋肉は蓄積するダメージから腰を守り、慢性腰痛の予防になっていきます。


座ってできるストレッチ

痛みがあっても無理をせずはじめられるよう、椅子に座りながらできるストレッチを紹介します。

ストレッチをおこなう時の注意点

  • · 最初は無理をせず、ゆっくりと筋肉を伸ばしましょう。
  • · ストレッチで激しい痛みやしびれを感じる場合は、ヘルニア等の可能性があるため医療機関へ受診されることをおすすめします。

太ももの裏(ハムストリングス)のストレッチ

① 片方の膝を伸ばして椅子に浅く座ります。伸ばした方のつま先を天井に向け、反対側の膝を直角に曲げます。


② 背筋をまっすぐに伸ばし、呼吸をしながら腹部が太ももに付くように上半身を前方へ倒します。


③ 15秒~20秒、太ももの後ろが気持ちよいと感じるくらいに伸ばします。


④ 左右3-5セットずつ、行いましょう。



ハムストリングス ストレッチ


太ももの前(大腿四頭筋)のストレッチ

① 椅子にお尻を半分だけ乗せて座ります。


② 椅子に乗っている側とは反対の脚を大きく一歩後ろに引きます。


③ 上半身を起こし、太ももの前の部分を伸ばしていきます。


④ 15秒~20秒、気持ちよいと感じる程度に伸ばします。


⑤ 左右3-5セットずつ行いましょう。



大腿四頭筋 ストレッチ


お尻(大殿筋)のストレッチ

① 椅子に座り、片方の膝を曲げて足首を反対側の太ももに載せます。


② 背筋を伸ばした状態で上半身を前方へと倒していきます。


③ 15秒~20秒、お尻が気持ちよいと感じる程度に伸ばします。


④ 左右3-5セットずつ行いましょう。



大殿筋 ストレッチ


腰の内側(腸腰筋)のストレッチ

① 椅子にお尻を半分だけ乗せて座ります。


② 椅子に乗っている側とは反対の足を大きく一歩後ろに引きます。


③ 後ろに引いた方の足の足首を手で持ちます。


④ 5秒~20秒、太ももの付け根が気持ちよいと感じる程度に伸ばします。


⑤ 左右3-5セットずつおこないましょう。



腸腰筋 ストレッチ

運動不足を解消し、負の連鎖を断ち切る!

ストレッチで腰を支える筋肉をほぐしたら、体をアクティブに動かす運動にチャレンジしましょう。 痛みを恐れて遠ざかっていた運動を日常的に行い、慢性腰痛の負の連鎖を断ち切っていきます。


中でも「歩くこと」(ウォーキング)が効果的で、誰もが取り入れやすい運動です。 「歩く」動作は単純で無意識にできる動作ですが、上半身・下半身・体幹をまんべんなく使って全身の筋肉を動かすことができます。 血液循環が促され、慢性腰痛の解消にもつながります。


ウォーキングを不安なく、楽しく継続していく

一度でも強い腰痛や慢性腰痛を経験すると、腰に不安を感じて運動も消極的になりがちです。 そのような場合はウォーキングのときにもコルセットを使うことをおすすめします。 伸縮性のある蒸れにくい素材を使ったコルセットであれば、体の動きを阻害せずに運動を継続できます。
ただし、コルセットは「運動が終わったら外す」ようにしましょう。 コルセットを日常的に使用してしまうと腰にとっては過保護な状態となり、筋力が低下する可能性があるので注意が必要です。


さらにウォーキング効果を高めたい場合は、ノルディック・ウォーキングを取り入れてみるのはいかがでしょう。 ノルディック・ウォークは左右の手で杖(ポール)を持って歩くことため転倒の危険性を減らし、背筋が伸びることで呼吸をしやすくするため、結果として長く歩けるようになります。



「腰痛ベルトとストレッチで腰痛改善|理学療法士が丁寧に解説」まとめ

「動くとつらい」「動けなくなることがつらい」そんな慢性腰痛悪化のメカニズムと負の連鎖を断ち切る方法についてご紹介しました。 ストレッチと日々の運動を続けることで腰回りの筋肉が強くなり、腰痛から遠ざけてくれます。 毎日を快適にすごせるように、ぜひ取り入れてみてください。


SONOSAKI LIFEでは、健康づくりに役立つ情報や介護の「お悩み」に寄り添う情報をお届けしております。他のコラムも是非、ご覧ください。


 記事監修 
  • 監修者写真
    小林 修
    株式会社DIGITAL LIFE
    WEBサービス事業
    理学療法士
    社会福祉主事

     

  • 大学卒業後、理学療法士や介護事業所の管理者としてデイサービス、特別養護老人ホーム、ショートステイなど、10年以上の現場経験があり、介護サービスの運営、スタッフ教育に従事。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、健康増進サービスの企画、開発に携わっている。