
脚の付け根が痛い、動かしづらい、股関節の動きが悪い、など股関節の違和感や痛みは女性から多く聞かれます。
この違和感や痛みは「変形性股関節症」という病気が原因となっているケースが多くあります。
今回は、この変形性股関節症に対しての痛みを軽減・改善するための運動や日常生活のポイントをご紹介していきます。
脚の付け根が痛い、動かしづらい、股関節の動きが悪い、など股関節の違和感や痛みは女性から多く聞かれます。
この違和感や痛みは「変形性股関節症」という病気が原因となっているケースが多くあります。
今回は、この変形性股関節症に対しての痛みを軽減・改善するための運動や日常生活のポイントをご紹介していきます。
股関節痛の軽減・改善には、自分でできることがいくつかあります。
※痛みが続くようであれば、医療機関の受診をお勧めします。
まずは、自分の股関節の状態を進行度からチェックし、把握することが痛みの軽減・改善の第一歩になります。
変形性股関節症は、症状や痛みが少ない『前股関節症』⇒『初期股関節症』⇒『進行期股関節症』⇒痛みが強い『末期股関節症』の4期に分類されます。
ここでは、ご自身の股関節の状態から進行度をチェックしていきます。
セルフチェックで自分の股関節の状態を把握した後は、体重コントロールなどの日常の見直しや、進行度にあった運動を行っていきましょう。
この後の筋力運動でおすすめの運動をご紹介しています。
※末期股関節症の方は一度医療機関の受診をお勧めします。
体重の1つの基準となるのがBMI(Body Mass Index)と呼ばれるもので、国際的に肥満度を示す指標として用いられています。
計算式は、[体重(㎏)]÷[身長(m)の2乗]で求められます。
日本肥満学会の定めた基準では、標準体重はBMI22とされており、BMI18.5未満が痩せている、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満となります。
体重をコントロールすることは股関節に直接の関係があるようには見えませんが、
体重を減らすことで股関節への負担を減らすことができ、痛みの軽減につながります。
自宅でできる運動で痛みの軽減ができると言われています。
それには正しい運動方法を身につけることと無理せず行うことが重要となります。
股関節周囲の筋力であるお尻の筋肉や太ももの筋肉を強化し、関節力アップすることで股関節への負担を軽減させることができます。
股関節の痛みに効果的な、ストレッチ運動をご紹介します。
運動時に痛みが強くなってしまうようなことがないよう、気を付けて行ってください。
筋力運動の前にはストレッチを行い、急な運動は避けましょう。 セルフチェックのどの進行度の方も、無理せずできる範囲で行いましょう。
①壁に向かい、壁に手を伸ばす
②右側の膝を曲げ、右手で足首を持つ
③膝が体より前に出ないよう気を付けながら、太ももの前の筋肉を15秒伸ばす
④反対側も同じように行う
①椅子に浅く座った姿勢から右脚を前にだし、右膝を伸ばす
②つま先を天井に向ける
③つま先を触るように体を前に倒し、太ももの後ろの筋肉15秒伸ばす
④反対側も同じように行う
①床に座り、足を開く
②つま先を触るように体を前に倒し、太ももの内側の筋肉を15秒伸ばす
③体を前に倒す際は、背中が丸まらないように注意
股関節への負担が少ない筋力運動から紹介します。 セルフチェックの結果の進行度にあった運動を行っていきましょう。
🔶 関節への負担少なめ=末期股関節症~進行期股関節症向け
①床に座り、片方の膝の下に薄い枕か巻いたタオルを置く
②膝の裏で枕をつぶすように力を入れる。この時太ももの前の部分に力を入れる
③膝の裏で枕をつぶした状態で10秒保つ
④反対側も同じように行う
⑤力を入れている際に、痛みが強い場合は保つ秒数を短くする
🔷 前股関節症~初期股関節症向け
①仰向けになり、両膝を伸ばす
②片方の脚の膝を立てる。
③もう片方の脚(伸ばしている脚)のつま先を天井に向け、膝を伸ばしたまま床から25㎝くらいのところまで持ち上げる
④持ち上げた状態で5秒間保持し、ゆっくりおろす
⑤反対側も同じように行う
🔶 関節への負担少なめ=末期股関節症~進行期股関節症向け
①仰向けになり、両膝を伸ばす
②お尻をギュッと引き締め5秒間保持し緩める
③息を止めずに行う。声を出して数を数えることで息を止めるのを防ぐことができる
🔷 前股関節症~初期股関節症向け ①
①右半身が上になるように横になる
※右側の脚は体より少し後ろに位置するようにする
② ①の状態から右膝を伸ばした状態でゆっくり脚をあげる
※脚をあげる際に注意が必要。つま先より踵が先行するようにゆっくり脚をあげる
③脚をゆっくりおろす
④反対側も同じように行う
🔷 前股関節症~初期股関節症向け ②
①うつ伏せになり、両膝を伸ばす
②左膝を伸ばした状態で左脚を腰が反らない高さまでゆっくり上げ、ゆっくりおろす
③反対側も同じように行う
歩きすぎると股関節周りの筋肉が疲労し、股関節を支えることができなくなり、股関節への負担が増え逆効果になるので注意
水の中は浮力が働き、股関節への負担が少ない状態で運動することができる
股関節は運動だけでなく、日常生活においてもよく使われる部位です。歩くだけでも大きな負荷がかかるため、無理は禁物です。 痛みの軽減のためには、日常生活を見直すことも効果的です。以下のようなポイントを参考にしてみてください。
洋式の生活は股関節への負担が少なく痛みの軽減が図れます。 切り替えるものとしては、ベッド・洋式トイレ(座った際に膝より股関節が高めのものなら尚更よい)・椅子とテーブルなどがあげられます。
お風呂などで温めると股関節周囲の血流が良くなり痛みが軽減します。
※股関節に熱感がある場合は、温めると逆効果で悪化しやすくなるので注意が必要です。
変形性股関節症の痛みを軽減・改善する運動や日常生活についてお伝えしてきました。 股関節の痛みを少なくするためには、股関節への負担を減らすことです。 適切なストレッチ運動や筋力アップは股関節の痛みを改善させるために非常に効果的であり、その他にも、体重を減らすことや日常生活の切り替えも股関節への負担を減らすことにつながります。 ご自身が取り組みやすいものから始め、痛みの軽減・改善を図っていきましょう。
運動は無理をすると逆効果となり、進行を早めてしまうこともあります。 この記事でご紹介したような正しい運動を身につけ、無理なくおこなっていきましょう。 万一、運動を試してみても痛みに改善が見られない場合は運動をお控えいただき、専門医のいる医療機関での受診をお勧めします。