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認知症介護|ビジネスケアラーが参考にして欲しい3つのポイント

認知症介護と仕事の両立

ビジネスケアラーとは、働きながら親などの介護をする人を指し、2020年は262万人、2030年には318万人になると言われています。 そして、ビジネスケアラーにとって認知症介護は計画しにくく、認知症当事者の行動も予測することが難しいため、ストレスを抱えやすくなります。
今回は仕事と認知症介護を両立している方に向けて、役に立つヒントをお伝えします。


この記事のポイント

  • ビジネスケアラーは2030年まで増加
  • 認知症介護をしているビジネスケアラーが抱えやすい悩みを知る
  • 仕事と認知症介護のヒントがわかる


ビジネスケアラーが増えている理由

2030年に向けてビジネスケアラーが増加していく見込みです。


ビジネスケアラーの推移

参考:経済産業省 企業経営と介護両立支援に関する検討会 資料


なぜ、ビジネスケアラーが増えていくのでしょうか。


  • 超高齢社会の影響
  • 2025年には「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、介護を要する人たちが増えていきます。


  • 共働き世帯が増えている
  • 現代は共働き夫婦が一般化しており、介護をする場合は仕事と両立することが当たり前となっています。


    共働き

  • 独身者が増えている
  • 未婚率と離婚率が高まることで、独身者が増加しています。 独身であると親の介護がはじまっても一緒に関われるパートナーがおらず、ビジネスケアラーとなっていきます。


ビジネスケアラーが抱える認知症介護の悩み

介護負担はそれぞれの家庭によって多様ですが、認知症介護になると介護者の生活がコントロールしにくくなり、精神的なストレスが高まる傾向にあります。


精神的に疲弊する

認知症の症状が悪化すると「周辺症状」といわれている行動が増えていきます。


BPSD

落ち着きなく歩き回ったり、物事に強い拒否をしめしたりと、介護者にとっては理解できない行動が多く、周囲を混乱させてしまいます。 認知症の方はカラダが元気な場合が多く、そのため「外に出て迷子となる」など、極端なトラブルが起こりやすいです。
ビジネスケアラーにとっては仕事での留守中に「何があるかわからない」と不安を抱え、精神的な負担が大きくなります。


仕事に集中できなくなる

「いつ、何が起こるかわからない」状況は、仕事への集中力にも影響します。 認知症の家族から頻繁に電話が掛かってきたり、急なトラブルで帰宅を余儀なくされたりと、仕事がコントロールできない場合も考えられます。
そうなると、職場に迷惑をかけてしまっているのではと悩み、仕事への意欲も低下していきます。


介護離職に陥りやすい

認知症介護は予測不能なトラブルが多く、「職場に迷惑をかけたくない」「精神的に限界」などの思いから仕事を辞めてしまうビジネスケアラーも少なくありません。 特に認知症介護は説明や相談がしにくいことから、介護をしていることを誰にも打ち明けずに離職してしまうこともあります。


疲労を感じる男性

仕事と認知症介護を両立するための3つのポイント

ビジネスケアラーが認知症介護を続けていくためには、多くの手助けが必要となります。 仕事も介護も大切ですし、自分自身の生活も安定させていくことも必要です。 そのために、活用して欲しい3つのポイントを参考にしてみてください。


ポイント1:仕事と介護の両立支援制度を利用する

ビジネスケアラーを支援するために「育児・介護休業法」や「仕事と介護の両立支援制度」が法律で定められています。 「介護休業」や「介護休暇」、「所定外労働の制限」などの制度を活用して、働きながら介護が成り立つような体制づくりをしましょう。

認知症介護はスタートしたときが一番負担かもしれません。 働きながら大変な時期を乗り越えるよりも、制度を活用して時間に余裕を持つことはとても大切です。 落ち着いて必要な相談や手続きが行えれば気持ちが楽になり、ビジネスケアラーとしての見通しも立てやすくなります。


ポイント2:介護保険サービスを利用する

仕事と介護を両立していくには、介護保険サービスの利用が欠かせません。 安心して働けると、仕事への集中力やモチベーションが良い状態で保てるようになります。 介護の専門家を頼り、働き続けられる環境を作っていくことはとても大切です。


地域包括支援センター」では、いつでも・だれでも介護の相談をすることができます。 介護がはじまる前でも相談に応じてくれるので、不安や心配があれば迷わず相談しましょう。 特に認知症介護は早い段階で適切なケアが行えると、進行が緩やかになる場合もあります。


介護をしている女性

ポイント3:自分自身の「休める時間」を確保する

介護に専念しすぎて、ビジネスケアラー自身が「休めない」状況にならないように注意しましょう。
必要であればレスパイトケアとして介護保険サービスの利用をおすすめします。 レスパイトとは「一時中断、休息、息抜き」を意味し、介護においては「介護する側が一時的に介護から離れ、リフレッシュ」することを指します。

認知症介護は「いつ何が起こるかわからない」と不安に感じる場面が多いことから、ストレスを抱えやすくなります。 気持ちが疲弊しないように、積極的に介護保険サービスを利用して仕事や介護から離れる時間を確保していきましょう。


「認知症介護|ビジネスケアラーが参考にして欲しい3つのポイント」 まとめ

ビジネスケアラーは働き盛りで、職責の重い仕事に従事している方も少なくありません。 そんな中、認知症介護は突発的な問題が生じやすく、仕事介護の両立には難しさが伴います。 ビジネスケアラーにとって認知症介護は負担が大きいという認識からスタートして、さまざまな制度やサービスを活用していきましょう。

SONOSAKI LIFEでは、健康づくりに役立つ情報や介護の「お悩み」に寄り添う情報をお届けしております。他のコラムも是非、ご覧ください。


 記事監修 
  • 監修者写真
    若橋 綾
    株式会社DIGITALLIFE
    管理部
    介護支援専門員

     

  • 介護支援専門員や介護事業所の管理者として10年以上の現場経験があり、家族問題を抱える家族や虐待案件も含め様々なケースを担当。
    現在は介護現場で培った経験を活かし、企業向けに介護離職予防を目的としたセミナーの開催や介護に関する記事作成を行うなど活躍は多岐にわたっている。